ビバ!小笠原 その4

小笠原諸島は、地球が生まれてからの長い年月の中で、一度も大陸と陸続きになったことがありません。

 

広い海を渡ってきた鳥たちに、付着した種や、微生物が、長い時間をかけて、小笠原の中で、独自の進化をなしとげて、今現在も小笠原に住む、生き物、植物などのほとんどが、「固有種」といって、小笠原だけにしか生息していないのです。

 

有名なところでは、ガラパゴス諸島があります。観光化されて、たくさんの外来種が持ち込まれ、ガラパゴス諸島の「固有種」は、絶滅の危機に瀕しています。

 

小笠原の「固有種」も、同じように、小笠原の温室のような環境で、すくすくと育ち、闘争本能は皆無のところに、いわば黒船のごとく、外来種の攻撃を受ければ、当然勝ち目はありません。

 

小笠原は、「固有種」を守るために、推定数100羽程度といわれる絶滅危惧種の「アカガシラカラスバト」の生息区域の立ち入りを制限したり、父島から母島へ渡るははじま丸から下船する際には、靴底の消毒をして、植物の種などが入らないようにしています。また、戦後アメリカ軍によって持ち込まれた、「グリーンアノール」という鮮やかなグリーンのトカゲは、「固有種」の昆虫を食べてしまうので、海岸付近にトラップをかけて、捕獲をしています。

 

小笠原の人たちは、小笠原に住む生き物と自然を本当に大事にしています。のら猫も島の大きな問題ですが、捕獲して処分するのではなく、小笠原丸で東京へ運び、里親に引き取られるようにしています。

 

ナイトツアーに参加しました。目的は、「固有種」の「オガサワラオオコウモリ」の観察です。

 

翼を広げると80センチ以上になる、オオコウモリは圧巻でした。草食性で、パンの木になる実を黙々と食べていました。黄金バットにあっぱれ!

 

世界自然遺産になり、毎月前年比200%以上の人々がやってくるようになりました。先日も、心無いヒトが、母島の木々を伐採したとの報道がありました。

 

世界自然遺産認定は、島のほとんどの住民が喜んでいますが「こんなに自然が荒らされるなら、世界遺産なんかにならなければ良かった・・・」ということのないように、祈る思いです。