学校ファーム

埼玉県加須(かぞ)市の大越小学校には、校内と校外に計4ヶ所の「学校ファーム」があります。

 

学校ファームは、児童に食育としての農業体験を通じて「生きる力」を学んでもらおうと、2007年に初めて校庭の隅に開設。その後も住民から農地を借り受け、今では約3300平方メートルにまで広がり、児童らは種まきから収穫まで、年間通じて農業に携わっているそうです。

 

3、4年は、地元特産のうどん作りにも使われる小麦の栽培。5、6年はコメ作りと、役割分担をしながら、地域や自然を大切にする心が育ちつつあると校長先生は話をしています。

 

ホワイトきゃんばすの子どもたちだって、小学生と比べるとまだ小さいですが、おうちでの食事の時間に、自分たちが収穫した野菜の話をしているそうです。ママの作ったおいしい料理を楽しむだけでなく、料理に使われた野菜がどうやって畑で大きくなるのか・・・そんなことが話題に上がれば、素敵な食事の時間になりますね。

 

さて、今朝の新聞にも「休日本気で『農力』アップ」・・・「農家指導の体験型農園」という見出しで、本格的な農作業を学ぶというライフスタイルが広まっているという記事が載っていました。

 

東日本大震災後、便利でモノがあふれた暮らしを見直す機運が高まり、生活のあるべき姿を農業に求める人が増えつつあるそうです。

 

話が飛びますが、阿部首相とオバマ大統領の日米首脳会談が行われ、間違いなくTPPが加速します。農業などのマイナス要因が指摘されますが、全体では大きくプラスになるという試算があるように、「聖域なき」が撤廃され例外もありうるというアメリカのお墨付きをもらった以上は、どんどん進むし、進んでいけば聖域も崩れていくことになるでしょう。

 

日本の農業を考える・・・ここでは、身近な話題から。

 

イオン大宮西店の火曜市・・・なんと玉ねぎ、じゃがいもが1個18円です。信じられません。そして、消費者はこれがあたり前になっていきます。農家がテマヒマかけて、作った農作物が、店頭でこんな値段で販売されています。これでは、ほとんど儲けがないでしょう。TPPとなれば、もっと安くしなければいけないのでしょうか。私も一人の消費者ですが、とてもむなしい気分になります。「安くてラッキー!」とは、とても思えません。

 

例えば、農業以外のふつうの企業なら。

①お客様のニーズにあった商品を企画する→企画、開発部門

②不良品のない、完成された商品を作る→製造部門

③安売りでなく利益が出る価格で販売する→営業、販売促進部門

 

この3つが同時進行しますが、日本の農業の多くは、②だけしかありません。今、農業として儲けを出している企業はいくつかありますが、①と③をちゃんと強化しているから、利益を出しているのです。

 

言葉は悪いですが、ただ作るだけ・・・という考えでは、イオンの店頭で18円でしか販売されず、もっと付加価値をつけて、利益を出すと言う考えが及ばないのです。

 

既存の農家は、高齢化、後継者不足、遊休農地の問題が深刻です。

しかし、農業の新たな担い手が、これから出てくる環境が整いつつあります。若者が、農業を仕事にする。仕事にするということは利益を出す。利益を出すには、既存の農業を改革する・・・TPPは農家にとっては大きな脅威ですが、あたらしい担い手がそれを乗り越え、逆に日本のおいしい農作物で世界に打って出るという道も可能になります。

 

すみません・・・ホワイトきゃんばすファームをやっていると、ついつい日本の農業について熱く語ってしまいます。