授業を生徒、保護者が採点

大阪府教育委員会は、公立小中高校と特別支援学校で、生徒や保護者が授業内容を採点する「授業アンケート」を今年度から本格導入すると発表しました。

 

小学校では保護者が、中学・高校では生徒がアンケートに答えます。このアンケート結果を集計して、教員ごとに100点満点に換算し「授業力」を測る材料に用いられるそうです。

 

予備校などは、当然ですが、授業内容がビデオで公開され、人気がない講師は淘汰されるという競争社会です。

 

小学校のPTA会長をしていた時の話です。学校訪問の際には、必ず校長室を訪問して、校長先生と世間話や、たまにはまじめな教育論(本当です)を交わしていました。

 

「校長先生は、教員全員の授業を見ている時間もないと思うのですが、評価するのが難しいですね・・・」

 

「いやいや、校長の権限なんてものは、ナベブタのボッチみたいなもので、一般の企業のような人事権もないし、強制力も実はないのが現実です・・・」

 

「一般企業なら、評価制度のように個々の評価で能力給が変動するのがあたり前ですが、教員もこの先は、評価制度で給料が決められる時代になって来るでしょうし、優秀な教師に高い給料を払うのは当然と思いますが・・・」

 

「確かに、教員のモチベーションアップや能力の底上げにはなるでしょうが、現実的にどうやって評価をするが難しいですね。本音では、すべての教員が納得する評価基準を作るのは大変です・・・」

 

一般のサラリーマンは、「年齢給+能力(実績)給」だったり、年齢に関係なく能力や実績給のみであったり、100%年功序列の給料はまれです。しかし、教職員は、経験給が基本です。22歳での新人先生も30歳で教師に転職した先生も同じ給料です。

 

例えば、大阪府では、「授業」「生徒指導」「学校運営」の3つの分野で、校長が教員の能力を判定し、総合的に人事評価をしているそうですが、今回のアンケート結果を人事評価に反映させることになります。

 

「教師間の競争を強めれば指導力が底上げされる面はあるが、授業も生徒指導も教師のチームプレー。競争が過度になると、学校全体の力が落ちてしまうのではないか」と指摘する人もいます。

 

しかし、よく考えてみれば、一般の企業とて、欧米からやってきたの評価制度という黒船に対して、「個人主義に走ってチームプレーがメチャクチャになる・・・」なんて言われていました。つい最近の話です。

 

しかし、日本の古き良き「年功序列」と「評価制度」を上手にミックスさせて、なるべく角も立てないで、皆が認める能力を給料に反映させている企業はたくさんあります。

 

「協調性」とか学年主任クラスの教員には「指導力」という評価基準をつくればいい訳で、チームプレーにかかわる能力も評価基準にすればいいと考えます。

 

保育園の保護者の中には、すでに小学校に通う子どもを持つママやパパもいますし、これから自分の子どもが小学校に入って、どんな担任になるのかは、とても大事なことになってきます。

 

当然、信頼のおける先生が担任になってもらいたいのです。

 

今回の大阪府の取組みが吉と出るように・・・期待したいですね。