横浜方式

「待機児童の早期解消に向け、『横浜方式』を全国に展開していきたい」というのが、「アベノミクス」の子育て支援の方針です。

 

この「横浜方式」というのが、2010年4月に全国ワーストの1552人だったのが、今年2013年4月に待機児童ゼロを達成した取り組みのことです。

 

①保育事業への企業参入の促進→全580認可園のうち152か所が企業経営

②横浜基準の認可外保育室「横浜保育室」の整備→さいたま市認定にあたる

③「保育コンシェルジェ」の配置

 

横浜市の成功は、他の自治体へのプレッシャーになると思いますが、横浜市は、昨年度までの4年間に約422億円をつぎ込み、今年度も124億円を計上しています。

 

すべての自治体が、このような予算を組めるとは限りません。むしろ、横浜市クラスの財源がないとできないというのが現実でしょう。

 

対照的に、東京都の世田谷区は、「保育の質の維持」を理由に、企業参入を認めていないそうです。

「株式会社が運営する認可保育所はまだ少なく、保育の質を評価できるだけのスケールになっていない。倒産、閉園のリスクもある」との見解です。

 

実は、数年前に、さいたま市でも、企業運営のナーサリールームが、倒産で閉園になり、多くの園児と保護者が路頭に迷うという事件がありました。その企業は、保育園事業で赤字になったわけではなく、別事業の赤字が膨らみ倒産となったとのことです。

 

保育園だけの事業であれば、大きな黒字にも大きな赤字にもならないのが、現実ですが、株式会社は、保育事業以外がこければ、倒産のリスクは高いといえます。

 

そして、保育士の確保という問題もあります。保育士専門の人材派遣会社でも、要望に対して満足な人員の提供ができていないそうです。

 

さて、私が思うには、ここ一連の「待機児童」報道が、ゼロにするのが目的であったり、素晴らしいことと称賛されないでほしいことです。

 

実は、認可保育園の入園は、保護者が選ぶことはできません。必ずしも、自宅や職場に近い保育園の保証はありません。そこには、幼稚園のように、「ここの園に行かせたい」という選択肢がないのです。

 

子どもの成長を考える保護者にとっては、致命的ともいえます。

 

保育園でいえば、認可外保育園が、唯一保護者が選べる保育園となります。さいたま市でいえば、さいたま市認定ナーサリールームや家庭保育室を含む認可外保育園ということになります。

 

ホワイトきゃんばすがするべき本質は、安全かつ保育の質を高めることです。保護者から選ばれる保育園となるように、当然ですがゴールはありません。

 

そして、毎年変化し、進化する保育園にしていかなければなりません。前年踏襲型は、私の最も嫌う生き方でもあります。

 

すみません。今日は熱いです・・・

コメントをお書きください

コメント: 1
  • #1

    かいじゅうママ (水曜日, 22 5月 2013 01:33)

    私もそう思います。

    多分、大多数のママは、職場復帰や、働くことを決意したときにまずは認可の保育園へ申請すると思います。

    申請書を書いて、第3希望(第5まででしたっけ?)保育園名を書いて…とにかく申請書を仕上げて結果を待つ、みたいな。

    とにかく入れればどこでも!って思いの方が強くなりすぎて、大切な何かを忘れちゃってるような気がします。

    子どもの成長にとって、とても大切な期間過ごす場所ですから、保育の内容・質、環境は親がきちんと選ばなくてはいけないし、それはまた、親の責任とも思います。

    私は、認可の保育園を増やして待機児童解消!というのは何か違う気がしています。

    とりあえず、市が認めて、ぽこぽこ箱だけ建てていって「待機児童、これだけ解消できました!」っていうモノサシにされちゃうのは嫌だな、とも思うし、4、5歳クラスは定員割れしている園もあるのに…。

    なら既存や新規の認可外施設を、ナーサリーや、家庭保育室として認定し、増やしていった方が得策、な様な気がします。

    本来なら、一緒に過ごしてあげたい大切な時間。仕事や色々な理由で諦めるのだから、信頼できる先生・安心できる環境に子どもを預けたい。

    私たちはただ保育園に子どもを入れたいのではないんですよね。

    子どもだけでなく、その成長過程の大切な時間も預けるんです。



    「待機児童」という言葉が、自治体や親たちに焦りを与えて重くのしかかっているように思えます。