ノーバディズパーフェクト

「ノーバディズパーフェクト」という活動をご存知ですか。

 

完璧な親なんていない!という考えのもと、カナダで生まれた子育て中の親支援プログラムです。考え方としては・・・

 

『完璧な人間などどこにもいません。完璧な親や完璧な子どもなど、存在しないのです。ですから大事なのは、可能なかぎりベストをつくすことです。そして必要なときには、まわりから助けを借りることです。』

カナダ政府の公認を得て、日本でも2004年4月からノーバディズパーフェクトジャパンが設立されました。

 

日本では主に、0歳から5歳までの子どもを持つ親を対象にし、参加者がそれぞれ抱えている悩みや関心のあることをグループで出し合って、話し合いながら、自分にあった子育ての仕方を学ぶのだそうです。

 

今日は、午後から「保護者支援で大切なこと」というテーマで、さいたま市の保育研修に参加しました。講師の渡邉暢子(のぶこ)先生は、保育の現場に長く関わったのちに、ノーバディズパーフェクトジャパンの活動をされています。

 

今日の研修は、とても考えさせられる内容でした。

 

日本は、戦前は農業国として栄えた国でもあり、母親は貴重な労働力の一人にカウントされていました。よって、子育ての仕事は、祖母、祖父、地域が担っていました。しかし、高度成長時代以降、核家族、少子化の中で、母がほぼ一人で子育てする時代となったのです。日本は、実は、「母が子育てする経験が浅い国」と先生は言います。

 

今現在では、親の育児力低下、育児に関する知識不足、コミュニケーション能力の低下など親の問題や、少子化に伴う環境の変化、情報が溢れマイナス情報にすぐにネガティブになる傾向、地域コミュニティの崩壊などの社会の問題、3歳神話による母性押しつけの間違った文化など、親にとっては、子育てが辛くなるような時代と言えます。

 

「子育て支援」が今の日本の時流ではありますが、「親育て」の仕組みは、日本にはないというのが、実態です。

 

イオンにも、就業体験ということで、近隣の中学生がやってきます。生徒達は他でも様々な職業を体験しますが、「親」という仕事の体験はありませんね。保育園、幼稚園での仕事は子育てにつながりますが、全体のわずかの生徒しか経験できません。

 

また、子育てには成果がほとんど見えません。一生懸命子どものために食事を作っても、全然食べてくれなかったり、寝かしつけても、夜泣きがひどいなど苦労ばっかりですね。勉強や仕事なら、頑張った分だけ目に見えた成果につながることが多いですが、子育ては誰もほめてくれません。

 

「母親なんだから・・・当たり前だろう・・・」という周りからの視線が時には重くのしかかります。

 

ノーバディズパーフェクトでの考えをベースに、渡邉先生は「がんばりすぎない」「他人に助けを求めることは恥ずかしいことではない」という考えで保育者が保護者に接することが重要だと言います。

 

では、保育園の保護者支援は具体的にはどうするべきか・・・つづきは明日。