保護者支援

初めての出産を前にしたママやパパを対象に、ノーバディパーフェクトジャパンでも「育児学級」を行うそうです。そこでは、6割のママやパパが赤ちゃんを抱いたことがないとのことです。

 

私も20前のことを思い出すと、奥様は友だちの赤ちゃんを抱いたことがありましたが、私自身は、長女が生まれて、初めて赤ちゃんを抱く経験をした一人です。恐る恐る・・・割れ物を扱うがごとく慎重に抱いた記憶があります(笑)

 

日本では、赤ちゃんを抱いたことのない6割のママパパが、親になるのです。 

これから、子どもを抱くだけでは済まされない、大切な子育てをするにあたって、大丈夫のはずではありませんね。今の日本の実態ですが、ここを掘り下げることが、国の子育て支援の大きな役割と言えます。

 

保育園では、母親に対して、母性を発揮するのが当たり前、子育てをちゃんとするのが当たり前・・・なんて決して思ってはいけません。ホワイトきゃんばすの保育者は全員子育てを深く経験しているので、そこは十分理解しています(笑)

 

母だけの役割だけではなく、妻でもあり、働く社会人でもあり、地域との社会的つながりだってあるでしょう。子育て以外にすることが山ほどあります。

 

保育者の保護者対応の最初の行動は、保護者が持つ不安や問題を共感することです。素直に受け入れ、肯定することが大事です。

 

保育者一人一人、当然子育てに対する考え方、モノサシが違います。私は男性ですので、母の苦痛の多くを経験していません。それ故に共感する必要があるのです。職員それぞれが、自分のモノサシで指導することが、必ずしも解決につながりません。

 

もちろん、一般的な事例であったり、自分の経験をアドバイスすることは大事なことですが、指導ではなく、保護者が最後は自己決定するようにもっていくのが、保育者の対応で一番大事と先生はいいます。

 

ホワイトきゃんばすでは、先日こんな例がありました。

 

2歳男の子が、毎日23時前後の就寝で、睡眠時間が少なく、朝の登園時は、寝不足であまり元気がありません。しかし、ここで「お母さん。○○君の寝る時間が遅いから、もっと早くしましょう」と言うのではなく、何か事情があるはずだ・・・とそのお母さんと話をしました。

 

障害を持ったお兄さんの影響で、どうしても生活のペースが乱れてしまう実態があることがわかりました。このお母さんの子育ては、本当に大変です。少しでも負担を減らせるように、2歳男の子ができるだけお昼寝の時間に寝不足分が解消できるように早く寝かしつけるなどの配慮をしています。

 

「母親なんだから、もっとしっかり子育てしてくれないと困ります」という考えを持った保育者は、まだ全国にはたくさんいます。しかし、ホワイトきゃんばすでは、今回の研修を踏まえて、あらためて職員一人一人が経験した子育ての大変さを振り返り、ノーバディパーフェクト・・・「完璧でなくていいんだよ・・・」を保護者に伝えることが大事だと思っています。