ある校長先生の視点・・・

ある中学の校長先生の話です。新任の熱血教務主任に組織マネジメントを語らせました。

 

「主任制を機能化させないと学校は回らない。主任は、仕事を一人で背負わず、部員に仕事を振って次を育てる。主任会議(経営会議)で情報を共有する。また起案制度を導入し、押印で意思統一を図り、責任の所在を明らかにする」

 

校長先生は「主任制の他は?」と問います。

 

「校長を中心とする学校だ。校長が最終責任者である以上、最終決定者は校長である。また、学年部会も必要だ。教員は孤立すると弱い。サポート体制が不可欠だ」

 

さらに校長先生は、「ですよね。他には?」すると、教務主任は「・・・」です。

 

教務主任のマネジメント案は、職場の戦力しか見えていないことを感じた校長先生の反撃が始まります。

 

「先生の説明は、スズメが窓から職員室を眺めているようだ。トンビになって校区を飛んだらどうですか?」すると教務主任は「例えばPTAとか地域住民ですか?」「その通り。この人たちを味方にするか敵にするかで大違いだ。さらに言えば、学校は地域だ。で、他には?」「校区の小学校や保育園、幼稚園、地元高校も」「そう、カリキュラムの接続ね。で、他には?」「公民館や民生委員や警察も、職場体験学習の企業も・・・」「視野が広がってきましたね。では、飛行機でもっと上から見てみると?」

 

「あっ、県教育委員会。文部科学省も。そう言えばうちの教育委員会も」「そう。教育界の組織図が描けないと独善になってしまう・・・」

 

こんな感じで、ある校長先生は、「木を見て森を見ず」の熱血教務主任の思考をどんどん広げていくのです。

 

このような視点は、学校だけのことではありませんね。保育園だってそうです。園児や保護者への十分な対応がベースではありますが、さらに、大きな視点で考えれば、これからの日本を支える若者が、多くの課題や困難に対峙していくために、その最初の一歩としての保育園はどうあるべきか・・・保育の質は、どこから導き出してくるべきか・・・

 

毎日、こんなことばかり考えていたら、前に進みませんが(笑)・・・頭の整理としては、こんな大きな視点で考える必要がありますね。

 

そして、みなさんが働く企業でも、公務員組織でも、地域コミュニテイでも、ここは鳥にでもなったつもりで、それぞれを取り巻く環境を大空から見てみましょう。経営コンサルタントなら、すぐに3C分析とかSWOT分析とか始めそうですが、そんな必要はありません。(笑)

 

お風呂の中でゆっくり・・・どうですか?考えてみませんか・・・