学校の先生は忙しい!?

昨年6月の国際調査結果で、日本の中学教員の勤務時間は33カ国、地域の中で最長だった事を受けて、文部科学省は、公立小中学校の教職員の在校時間や業務負担に関する初の調査結果を発表しました。

 

昨年11月時点で、全国の公立小中学校451校、計9848人を抽出して実施したところ、平日の在校時間は、中学校の副校長・教頭が平均12時間53分で最も長かったという結果だそうです。

 

首都圏の公立中学に勤める男性教諭は、朝7時に学校に着くと、部活動や担当する英語の授業、校内の見回りなど分刻みで仕事に追われる。放課後も保護者対応などがあり、学校を出るのは午後8時半。帰宅後も教材研究や授業準備が待っている。土日も部活の指導や引率があり、「教師はやりがいのある仕事だが、落ち着いて仕事をする余裕がない」と語ります。

 

勤務時間だけを考えると、私も一般のサラリーマンを経験していますが、そんなに驚く時間ではないですね。しかし、教師の本質的な仕事は、児童、生徒の教育であり、それ以外の時間が増える傾向は好ましくないのは間違いありません。

 

ホワイトきゃんばすの元小中学校教員の先生は、10年以上前は、中学3年生の担任は、本当に大変で、高校受験に伴う生徒指導は、今の先生よりも何倍も時間を使っていたといいます。現在は、塾がその役割を担い、埼玉県なら北辰テストの偏差値で判断することが多いので、中学3年の担任の活躍が減っていますね。

 

私の勤務時間を例にとれば、朝7時には保育園に出勤し、園児たちが帰るのが18時30分くらい。それから、事務処理などを行いますので、12時間53分とい中学校の教頭先生の在校時間とあまりかわりませんが、もっと時間があれば「あれもやりたい・・・これもやりたい・・・」と思っています。

 

学校は企業と比べて、業務の効率化は遅れています。当然、教師の仕事内等が必ずしも効率化だけを優先させる内容ではないからですが、大阪市は昨年度、市立小中学校などに、LAN(情報通信網)を使った情報共有システムを導入し、朝礼や会議などの削減につなげたり、東京都杉並区では土日を中心に、中学校の野球部やバスケットボール部の顧問の教員に代わって、スポーツクラブの講師らが指導にあたる制度を採り入れたそうです。

 

学校の先生だろうがサラリーマンだろうが、1日に与えられる時間はみな24時間と平等です。この限られた時間で、教師なら最大の教育効果を生むために業務の優先順位を付けることも大切です。

 

全体的な枠組みは、教育長や校長の仕事になるでしょうが、教師自身も「○○の仕事をしなければいけないから・・・」という受身の発想から、自分の仕事内容を「教員の本質的な仕事をするにはどうあるべきか・・・」という主体的な考えが必要ですね。

 

労働時間というモノサシで、世界と比較すると、教員に限らず、すべての業種で日本がワーストワンという結果になるのでしょうが、仕事の質がナンバーワンとなるようになりたいものです。