教師の社会体験

東京都府中市の教育委員会では、2、3年目の若手教員に幅広い見識や外部と連携する力を身に付けてもらおうと、昨年度から社会体験研修を行っています。


具体的には、㈱すかいらーくの協力で、夏休み期間中の4日間、同社が運営するファミリーレストランで接客を中心とした業務を行ったそうです。


各店で働くクルーに向けたものとほぼ同じ内容の研修を受けた後は、実際の店舗での業務を実施。接客、食事後のテーブルの片付け、食器の補充、キッチンの準備や皿洗いなど、クルーの一員として働く経験をします。


参加した教員の中には、大学生時代のアルバイトも塾講師など子どもに関わる仕事の経験しかなかった者もいたようで、「違う仕事をしたことで、チームで協力して働くことがどんな仕事をしていく上でも大切なことが分かった」と語ります。


教員、社会人としての自分の幅を広げる、貴重な研修であったことを実感し、それぞれの教員が、今回の経験を子どもたちの指導や教員同士のコミュニケーションに生かすため、努力を始めているそうです。


市民相手の窓口に立つ公務員が、一般企業の接客などのお客様サービスを経験する話はよく聞きますが、教員がお客様サービスを経験するというのは、あまり例がないですね。


教員は、自分の授業内容や担任としての仕事など、個人プレーが多い職務内容ですが、これからは、児童や生徒を取り巻く多くの問題に対応するために、教員同士のチームワークが必要になってきます。そんな意識が芽生える研修になったに違いありません。


子どもたちに、様々な教えを行う教員は、教員である前に、人としての魅力が大きければそれは、とても素晴らしいことです。新卒で教員になれば、まだ22、23歳で、教え子だけでなく、保護者からも「先生」と呼ばれます。しかし、社会人としては、まだ道をスタートしたばかりです。


こうした畑違いの社会を経験することは、人としての幅を広げることにもつながることでしょう。教員の仕事は大変ですが、あすの日本を担う子どもたちを育てるという、とてもやりがいのある、重要な仕事ですね。