子連れ出勤

東京都目黒区にある体験ギフト企画販売会社「ソウ・エクスペリエンス」では、働くママが、発送作業をしながら2歳の女の子に、パソコンで動画を見せています。「子どもにも私にも無理のない働き方。理想的です。」と、そのママは話します。

 

彼女は、パート社員で週3日、娘と出勤します。以前は、大手飲食チェーンに勤めていたそうですが、妊娠を機に退職。出産後、再就職を希望するも保育園には入れず、「子連れ出勤」が認められているこの会社で働いているそうです。

 

この会社の社長は、「待機児童の母親を戦力化しないともったいない。従業員全員が家族のように子どもらを見守る保育スタイルは、昔ながらの自然な形」と言います。子どもの安全については、親の自己責任だそうです。

 

また、18年前から子連れ出勤を実践し、普及に努めてきた授乳服メーカー「モーハウス」の社長は、「子連れ出勤が広がれば、待機児童解消にもつながる」と力を込めて言います。

 

なんだか、とても素晴らしい取り組みのように思えますね。しかし、それは、働く母親から見た視点と言えます。子ども側から見ると、おやじ園長としては、正直心配だらけです。

 

ホワイトきゃんばすの保育と比較しただけでも、「親がいない環境で、他の園児の影響力で、子どもたちは、社会性や人間関係力を育む」「外で遊ぶ時間は?土や虫と触れ合う環境はあるの?」「イベントや行事を通じて、子どもたちが得るものが、どこまでできるの?」・・・と、子どもの成長という視点であげていけばキリがありません。

 

そして、待機児童の解消が、子どもの成長につながることにはなりません。主語を働くママとするか、子どもたちとするかで、大きく見方が変わってきますね。

 

「子連れ出勤」や病院で6割となる「事業所内保育施設」を否定するつもりはありません。働くママが、わが子の成長まで考えて選択するようになってもらいたいですね。

 

「待機児童解消」という言葉は、子どもたちの成長の本質を見逃してしまうことにつながります。子育て世代の保護者は、本質を見失ってはいけません。