退職職員が新人を育てる

文部科学省の推計では、全国の公立小学校で、1年間で18,000人以上の大量退職が2018年度まで続くそうです。定年退職教員の増加が原因です。それに対し、15,000人台が2019年度まで毎年採用されます。そのほとんどが、社会人経験のない新人教員となります。

 

石川県の教育委員会は「いしかわ師範熟」を開いています。教員志望の大学生らを対象に、元校長が指導員として再任用され指導員として活躍しています。

 

「叱るスキルがあると、教壇に立った初日から学級担任としてうまくスタートできます」と、指導員は、集まった学生に互いに叱る練習をさせたそうです。褒めることでなく叱ることを教えるところがミソです。

 

私の息子が小学校4年の時の担任から、「4月の最初の授業で、しっかりとクラスを締めないと、児童になめられて、1年間のクラス運営がガタガタになる」と話を聞いたことがありました。褒めて伸ばすも大事ですが、大きな愛を持って、子どもたちを叱ることができて、初めて褒めて伸ばすことが有効になるのだと思います。


自治体が教員志望の学生らを対象に設ける教師塾は、東京都の教育委員会が2004年に開設し、以後全国で広がりを見せています。情熱いっぱいの若手新人教師のまっすぐな力と、社会性や保護者対応などについては、ベテラン教員の力を借りる組織作りが大切になってきますね。


東京オリンピック開催の2020年までに、教員も世代交代が劇的に進むという現実を受けとめないといけません。