吉田沙保里選手の引き際

吉田沙保里選手の銀メダルには、多くの人が涙しました。もちろん、「今までありがとう・・・立派な銀メダルだよ」という涙です。

 

「とんでもないことをしてしまった。申し訳ございません」と何度も謝罪する吉田選手に、私たちは、感謝の気持ちでいっぱいです。金メダルを取れなかったことを非難する人はいないでしょう。

 

今まで彼女が私たちに与えてくれた大きな夢や勇気。日本のレスリングをここまで強くしてくれたこと。今回の後輩たちの金メダルラッシュは、吉田選手の存在があったからこそなしえたこと。

 

あげればキリがありませんが、リオオリンピックの金メダル1個分よりも、大きな大きなものを私たちは、吉田選手からいただいていますね。

 

今から2年前に、吉田選手は、最も大きな影響を与えてくれた父親を亡くされました。そんな父と、生前はよく「引き際」について、語り合っていたそうです。そうです、いつ引退するか・・・ということです。

 

個人的には、引き際の美学を注目するおやじ園長として、今回、金メダルを取ったら引退というストーリーを吉田選手は考えていたのではないでしょうか。あくまでも、私見ですが、これで、吉田選手の引退ないと思っています。東京オリンピックは、さすがに無理でしょうが、次回の国際大会である世界選手権で、金メダルを獲得して、「勝って引退」が、吉田選手の引き際の美学ではないかと思うのです。

 

ということは、さらに強くなった吉田選手を私たちは見ることができるのかもしれません。今日、吉田選手は、何リットルもの涙を流したことでしょう。まだ、しばらくは、涙が止まらないかもしれません。

 

しかし、その涙を流し切った後には、新たな決意を胸に秘めていることでしょう。天国のお父さんは、「まだやれるぞ!」というメッセージを我が子に残したのかもしれませんね。