夏休み明けの自殺

いよいよ今日で8月もおしまいです。

 

さて、夏休み明けに子どもの自殺が相次ぐ傾向にあるそうです。2015年のデータでは、小中学生、高校生、大学生らの自殺数は計835人もあります。大人も含めた自殺者数は人口減と比例して減少していますが、18歳以下の自殺者数は伸びているそうです。

 

内閣府の2015年版「自殺対策白書」によると、1972年~2013年の18歳以下の自殺者を日付別に整理すると、90人を超える日が年間で5日あり、そのうちの3日間が、8月31日92人・9月1日131人・9月2日94人と、夏休み明けに多発していることがわかります。

 

ちなみに、残りの2日間は、4月8日95人・4月11日99人だそうです。こちらも、入学、進学後に集中しています。どちらも、長期間の休み明けという点では、共通点があります。

 

この年代の子どもを持つ親や学校はどうすればいいのでしょうか。

 

学校では、子どもに異変が見られた場合には、担任が抱え込まずに、学校内、保護者と連携する。子どもは親や先生に言えない事が多いので、「24時間子供SOSダイヤル」などの相談窓口の周知を図る。鉄道会社が駅や踏切りでの見守り活動強化を図る。インターネット上の書き込みを調べる「ネットパトロール」を教育委員会が行う。

 

対策を打てど、先日も青森県の中学2年生の女子生徒がスマートフォンのメモに「もう、二度といじめたりしないでください」と、個人名を記して自殺するという痛ましい出来事があったばかりです。自殺対策の総論は、「学校、家庭、地域の連携で子どもたちを守る」ということなのでしょうが、各論は、子ども一人一人対応が違ってくるのです。

 

「どうすれば、子どもの自殺がなくなるのか?」これについては、今すぐに答えは出ません。しかし、私たちがすぐにやらねばならないことは「子どもを死なせないこと」です。私がPTA活動をしていた時にお世話になった、元さいたま市教育委員会の教育長が、こんな話をしてくれました。

 

「理屈はどうでもいいから、子どもを死なせないことが一番大事なことだ。子どもたちに、学校が、教師が、本気になって、メッセージを送ること。死んだって何にもならない。まわりが不幸になるだけだ。生きていれば、必ずいいことがある。」

 

泥臭いけど、必死に生きてりゃ、何とかなると、本気で大人が伝えることで、子どもたちの心に届かせるのが一番なのかもしれません。あなたはどう考えますか。