学校教育法30条

学校教育法30条第2項には、学校のミッションとして、「生涯にわたり学習する基盤を培うこと」と記述されています。

 

そのための学力の3要素も示されています。

「基礎的な知識及び技能」

「これらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力」

「主体的に学習に取り組む態度」

以上3つです。

 

今日は、法律の文言の勉強ではありませんので、ご安心ください。(笑)

 

日本人の平均寿命は、80歳を超えて世界一です。この学校教育法は、大学までを範疇としていますが、高校を卒業後と考えても、多くの人が60年以上の人生を送る計算になります。

 

さて、この学校教育法30条第2項に示される3要素のうち、知識及び技能の獲得については、時代と共に変化をします。はっきり言ってしまうと、学校を卒業し社会に出てからも、生涯をかけて、自分の頭の中になかったものを頭の中に入れる作業をすることになります。生涯学習の大きな部分ですね。

 

しかし、論理的だったり批判的な思考力や意思決定をする判断力、言語に代表される表現力、主体的に学習する能力は、脳ミソが若いうちに、今まで以上に叩き込む必要がありそうです。

 

残りの人生60年は、子どもたちが社会に出て、生活する現実社会です。今までの学校は、知識の習得にエネルギーを注いだ授業の場と言っても過言ではないでしょう。しかし、60年という長い人生を生き抜いていくには、思考力、判断力、表現力・・・つまり、「自分で考えて自分で答えを出せる大人」になるための場所にしていかなければなりません。

 

知識は、大人になってもいくらでも手に入れることはできます。この知識を生かす能力が、大切だと考えられるようになってきたのです。私たちが学習する内容に、もちろん優劣はつけられませんが、知識の習得よりも普遍的な価値をもつ、思考力、判断力、表現力の習得に、これからは、子どもたちに、多くの時間をかけないといけません。