はじまりの日

ノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランの話です。「ノーベル賞の授賞式に出るか出ないか・・・」というワイドショー的な話ではありません。(笑)

 

彼のライブが、とても面白いのは、多くの名曲がありながら、それをライブではほとんどやらないそうです。有名な「風に吹かれて」を演奏したとしても、全く別の曲のようにアレンジされ、何の曲かわからないとのこと。

 

数年前の日本ツアーの最後に、予定にない曲を演奏しました。名曲「Forever Young」です。70歳を過ぎたボブが「いつまでも若く」と私たちに投げかけ、日本を去ったのです。その「Forever Young」を絵本にしたのが「はじまりの日」です。訳をした魅力的な詩人アーサー・ビナードは、この絵本のタイトルを「いつまでも若く」ではなく「はじまりの日」としたのです。

 

常に今日が「はじまりの日」というのが、いいですね。この曲は、ボブが息子を思って書いたとされています。愛する子どもたちへのメッセージともいえるのです。詩の中に「きみが 手をのばせば しあわせに とどきますように」というメッセージがあります。

 

これは、私たち大人が、子どもたちに伝えたいメッセージの一つです。保育園の子どもたちを見ていると、毎日の主体的な遊びの中で、自らの力で「幸せ」をつかみ取れる子どももいれば、なかなか主体的に行動できない子どももいます。そんな子どもに、「きみが 手をのばせば・・・」ができるようにする、私たち大人のかかわり方が大切になってきます。

 

「〇〇しなさい」ではなく、子どもが、自ら行動できるようにすることです。

 

そして、この「はじまりの日」は、大人にとっても大切なメッセージを伝えてくれます。いつでも「今が、『幸せ』を切り開く『はじまりの日』なんだ」と。

少しだけ、目の前の世界が希望に満ちあふれてきましたか・・・