リーダーシップ教育

保育園ホワイトきゃんばすでは、人数も少ないので、5歳児年長になると、全員にリーダーの役割を与えます。運動会、クリスマス発表会などの行事や、寺子屋でのグループ討議などで、具体的に行動してもらいます。

 

大きな幼稚園や保育園では、目立ちたがり屋の一部のリーダー以外は、その他大勢というくくりのまま小学校へ入学します。その他大勢のくくりの児童たちは、リーダーという役割を経験しないままに大人になることだってあるのです。

 

大人になると、チームや組織で働く機会が増えていきます。これからの時代は、主体的に組織を動かせる人材が求められます。これは、学校での成績が良く、知識が豊富ならできるというものではなく、ましてや、ロボットにはできないことです。

 

最近、大学生や高校生に「リーダーシップ」を教える授業が広がりつつあるそうです。経営者や管理職といった役職や権限がなくても、チームをリードできる人材の育成がねらいです。

 

ある大学の経営学部では、「ビジネス・リーダーシップ・プログラム」の授業が行われています。10月には、1年生が3人一組の班に分かれ、「自分が目指すリーダーシップ」について話し合います。

 

「目標に対するモチベーション(やる気)を上げていけるようにしたい」と、ある女子学生が発言すると、アシスタントの先生は「それは、自分自身の目標か、グループ全体か?」「気分の乗らない人のやる気をどう引き出すのか?」などと質問し、考えや行動をより明確にするように促すのです。

 

このプログラムでは、リーダーシップの定義を「集団を前進させるためのあらゆる能動的な動き」としています。そのために必要な行動として、①目標共有②率先垂範(リーダー自らが目標達成のため動くこと)③同僚支援(仲間が活躍できるよう支援)の3つを挙げています。

 

学生の声としては「高校時代、アメフト部の部長だったが、部員に『筋トレをさぼるな』と言っても聞いてもらえなかった。今思うと、なぜやるのか目標を共有できていなかった」「論理的に話すことを心がけたおかげで、説得力が増し、アルバイト先でも認められるなど自信がついた」などなど・・・

 

私がサラリーマン時代に、後輩から、「年上の部下の扱いで、悩んでいる。どうしたらいいものか?」と相談を受けたことがありました。「君の係長という役職は、ただの仕事上の役割でしかない。人間的に優れているから昇進したのではない。年上の部下には、謙虚な気持ちが必要だが、仕事は仕事。きちんと自分のやりたいことを伝えることが大切」と自らの経験からアドバイスした記憶があります。

 

もちろん、リーダーシップは、企業などの組織だけでなく、あらゆるチームや団体、地域のコミュニケーションにも役立ちます。そして、子どもにとっては、生まれて最初に出会うリーダーは、親なのです。

 

リーダーシップのあり方は、当然1つではありませんね。自分のスタイルは、自分で作りあげていかねばなりません。集団を前進させるという目的は同じでも、そのやり方は、自分で考えるのです。