感動の30分

保護者の押し入れに眠っていた、ジャングルジム&ブランコを協賛してもらいました。今まで使っていたジャングルジムも子どもたちの連日の遊びで老朽化が目立ち、何年も十分に活躍したので、そろそろ引退です。

 

午後のおやつが終わると、園長と子どもたちで、ジャングルジムの組み立てを始めます。子どもたちも、自分でやりたくて仕方がないので、難しいパーツ以外は子どもたちで組み立てました。

 

ここからの30分・・・子どもたちの素晴らしい行動に感動することになります。

 

ブランコに乗りたいと、子どもたちが。ちょうどブランコを囲むように「〇〇が最初に乗る!」と収拾がつかなくなります。まぁ~保育園ではありがちな光景です。

 

すると、6歳女の子が、「これじゃ、楽しく遊べないから、乗りたい人はブランコの後ろに並んで、順番に乗ろう!」と子どもたちを列にしました。彼女も本当は、ブランコに乗りたかったのでしょうが、自分は、最後でいいと我慢しています。

 

ブランコの後ろには、見事に列ができて、子どもたちは順番に乗り始めます。そこで、5歳男の子が、「ひとり10回ずつにしたらいいんじゃない」と提案します。すでに、10人ほどの列ができているので、早くみんなが乗れるように男の子が考えたのです。

 

子どもたちの「1・2・3・・・」という掛け声で、ブランコ遊びがスタートしました。

ここでトラブル発生です。3歳男の子が、早く乗りたいとブランコに近づいた時に、男の子の額にブランコがぶつかってしまったのです。

 

泣き出す男の子・・・すぐに6歳女の子が「先生、冷やすの冷蔵庫から出して!」と動きます。幸い軽くぶつかっただけで、コブもできていないほどでしたが、女の子の介護で、男の子は泣き止んで、元気にブランコに乗ります。この事件を機に、ブランコの後ろ1メートルくらいの、ブランコを支えるパイプまで下がって並ぶルールができました。これも、子どもたちが考えたルールです。

 

今度は、ママのお迎え時間を前に、1歳女の子が、メソメソ泣き始めました。チャイムが鳴っても自分のママでないことがわかると、小さい園児のメソメソタイムが始まります。これも、保育園ではよくある光景です。

 

すると、4歳女の子が、メソメソ1歳女の子の手を取り、イスに座らせて、絵本を読んであげます。見事に、泣きやんで、絵本に集中する1歳女の子・・・そして、反対側の机では、ブランコで満足した寺子屋女子3名が、自分の道具箱を出して、楽しく会話をしながら、自由帳に絵を描いています。

 

ジャングルジム完成から、ここまで30分・・・見事なまでの、子どもたちのかかわりの姿がありました。先生が手を貸したのは、ジャングルジムの組み立てと、蓄冷材を冷凍庫から出すことくらいです。

 

ちょうど、この30分に、来年4月からの保育園を探している、パパママが10カ月の女の子を連れて見学に来ていました。いつものことですが、その間、何人もの園児がお客さんのママパパに話しかけます。そんなシーンに、すっかり感動したママが、「今まで10の保育園を見学しましたが、異年齢保育という環境は、今日が初めてです。そして、年齢の違う子どもたちが、こうして助け合いながら遊んでいる姿に感動しました」と言って、帰っていきました。

 

園長の保育園説明よりも、何十倍も説得力がある子どもたちの姿を見てもらうことができたようです。(笑)