自閉症の君が教えてくれたこと

今日は屋上ファームの日陰のところに、霜柱ができていました。今朝は冷え込みました。しかし、子どもたちは、きれいな雪景色の富士山に見守られながら、元気に駆け回っています。

 

さて、昨日のNHKスペシャル「自閉症の君が教えてくれたこと」を見ました。これは、2014年8月に放送され、大反響となった「君が僕の息子について教えてくれたこと」の続編です。

 

東田直樹さんは、重度の自閉症で、普通の会話はできません。しかし、キーボードを書いたシートやパソコンを使って、自分の考えを伝えることができます。彼が、13歳の時に書いたエッセイ、「自閉症の僕が跳びはねる理由」を読んだ、アイルランドの作家デビット・ミッチェルさんよって、翻訳され、世界30か国あまりで、ベストセラーとなりました。デビット・ミッチェルさんにも10歳になる自閉症の息子がいます。

 

今回、東田直樹さんは、アイルランドのミッシェルさんとその息子を訪ねました。ミッシェルさんは、「息子に友だちができるにはどうすればいいか?」と、東田直樹さんに問います。すると、「僕にも友だちはいません。でも、そんなに寂しくはありません。これは、子どもの気持ちではなく、あなたの願いではありませんか」と核心を突く答えが返ってきます。

 

東田直樹さんは、今回、認知症が進む祖母へも向き合っていました。「今までのおばあちゃんが作ってくれたホットケーキと味が違う。でも、おいしい!」と、祖母をいたわるメッセージを伝えます。

 

彼の、一つ一つの言葉が重く、そして、私たちの心に響きます。

 

「自分が辛いのは我慢できます。しかし、自分がいることで周りを不幸にしていることには耐えられないのです」

 

「僕は命というものは大切だからこそ、つなぐものではなく、完結するものだと考えている。命がつながるものであるなら、つなげなくなった人は、どうなるのだろう。バトンを握りしめ泣いているのか、途方にくれているのか、それを思うだけで、僕は悲しい気持ちになる」

 

「人生を生き切る。残された人は、その姿を見て、自分の人生を生き続ける」

 

どうですか、重度の自閉症で日常会話ができない彼が、こんな深い考えをもって、生きていることを・・・私たちは、発達障害の子どもたちが、言葉にできなくても、表現できなくても、それぞれの思いを持って、懸命に生きているということを忘れてはいけません。

 

東田直樹さんは、今、作家として、新たな人生を進んでいます。彼が、自分の「言葉」を多くの子どもたちや、障害のある子どもを持つ親に、ずっと、発信を続けてもらいたいですね。そして、私たち大人も、「違いを認める」ということを、もう一度深く考えてみませんか。