原マジック

お正月は、箱根駅伝から目が離せなかった人が多かったと思います。私もその一人でしたが、駅伝やマラソンで、選手がただひたむきに走っている姿は、なんの演出もいらないですね。

 

さて、今年の箱根駅伝で3連覇を成し遂げた青山学院大学の原晋(すすむ)監督は、今や時の人です。

 

原マジックといわれる手法の一つに、選手間で毎月行われる目標管理ミーティングがあります。「頑張れば手が届く目標」を選手自ら設定し、合宿所に貼り出されるそうです。選手にとっては、自分で決めたことをやるのは、当然という雰囲気に変わります。

 

「人から言われる前に、自分でやるべきことを決めて、さっさとやってしまう」というのは、私たちの日常でも大いに当てはまります。

 

また、「青トレ」と名付けられたフィジカルトレーニングを導入。これは、あの卓球の福原愛選手らを指導したトレーナーの理にかなった「動的ストレッチ」だそうです。

 

実は、原監督は、2004年に監督として就任するまでは、「営業マン」でした。中国電力に入社したものの、選手としては大成せず、10年間、営業マンとして、蓄電池などの販売をしていました。「伝説の営業マン」と言われるほど、優秀な営業マンだったそうです。

 

お客様に商品を買っていただくには?という問いに対して、常に考えを巡らせていたのでしょう。私も20年以上、営業の仕事をしていましたが、売上アップに邁進したプレイヤー時代とチームとしての組織力アップを目指したマネージャー時代と、今でも多くの失敗経験が鮮明に思い出されます。(笑)とにかく、「あーだこーだ」とない頭で考えていました。

 

原監督の選手に目標管理をさせる手法などは、営業として組織を束ねた経験を持つ人には、ごく当たり前の発想です。しかし、今までの陸上界の常識は、監督が決めた目標に向かって、選手を精神論で鼓舞するというものが主流だったのです。

 

原監督の選手への「その気にさせる言葉がけ」も、営業マン時代にお客様へのセールストークと類似するところがあるのでしょう。彼は、「箱根駅伝もビジネスも一緒です」と言います。チームを引っ張るリーダー(監督)は、実は、ビジネスで組織を強くする経営者と同じ、シンプルなセオリーを実践しているのです。

 

世の中を見ていくと、異業種の経験がある人が、活躍する姿を多く見ることができます。「今までの常識にとらわれない、新しい発想」が活かされるからです。

 

元営業マンの「おやじ園長」も頑張らねば・・・(笑)