きのくに子どもの村学園

自由すぎる学校・・・「宿題がない」「試験がない」「学年の壁もない」ついでに「チャイム」もありません。

 

クラスは〇年〇組ではなく、小学校なら、①「劇団きのくに」(表現)②「工務店」(木工、園芸)③「おもしろ料理店」(食の研究)④「ファーム」(農業)⑤「クラフト館」(木工、やきもの)の「プロジェクト」という5つのクラスで、異年齢で構成されます。

 

中学校なら、①「道具製作所」②「動植物研究所」③「電子工作所」④「ミュージカル・シアターきのくに」⑤「創造工房きのくに」⑥「わらじ組」の6つのプロジェクトクラスで異年齢で編成されています。どこに入るかは、自分で決めるので、プロジェクトによって生徒数が違います。毎年、プロジェクトは変更できるそうです。

 

中学校の「わらじ組」は、大人のいないクラスだそうです。影の大人と言われる人はいるそうですが、何をするかは、すべて子どもたちで決めるそうです。なんだか、凄い学校ですね。

 

この「わらじ組」を経験し、きのくに国際高等専修学校を卒業、そして、この春から東京の大学に進む、古賀要花(いるか)さんが、1月22日の講座でのパネラーとして、きのくに子どもの村での生活やビジョンを語ってくれました。

 

「自分から学びをつくらないと何も得られない」・・・彼女がこの学校で最初に感じたことだそうです。一見「自由」というものに、私たちは憧れの気持ちを持ったりしますが、この「自由」を得るためには、「自己責任」を全うしなければなりません。

 

究極の自由学校で学ぶ子どもたちは、自分の頭で考えて、他人の価値観の違いをとことん話し合って理解し、主体的に行動しないと、楽しくないし、前に進まないということなのです。

 

彼女は、「教育」の分野で活躍したいと考え、高校卒業後は一般の大学をめざします。予備校では、他の生徒との学力の違いに愕然としたそうです。「私が学んだきのくには、世の中に通用しないの?」と疑問に思った時もあったそうです。

 

しかし、彼女は気が付きます。一般の予備校生の学力の高さは「与えられた、やらされた学力」であり、自分がやってきたことは「自分で生み出す学び」だということです。

 

彼女は、中学校3年の「わらじ組」の時に、出版社に出向き、自分たちの本を作りたいと行動します。また、高校になると、自ら企画した「オランダ単身学校視察研修」を実行します。自分で蒔いた種は、自分で花を咲かさなければならないのが、「きのくに」のルールでしょうが、彼女の実行力には、驚くばかりです。

 

「『きのくに』出身の私が、ちゃんと普通の社会でも通用し、さらに、『きのくに』で学んだことをベースに、日本の『教育界』を変えていきたい」というのが、彼女のビジョンです。まだ、19歳なのに・・・自分の19歳の時は、何も考えていなかったなぁ~が、私の反省です。(笑)

 

今日は、ここまでです。「きのくに子どもの村学園」という自己責任がベースの究極の自由学校が日本にあるということを覚えておいてください。