生徒が先生役で学び合い~学びのピラミッド~

朝のシーンです。6歳年長園児と4歳年少園児が並んで絵を描いています。6歳の女の子はプリキュアの絵を色付けまでし、4歳女の子は、しまじろうの絵を描いています。2歳の年の差があるので、当然絵の完成度には差が出てくるのですが、4歳女の子はあこがれのお姉さんの絵を見ながら、「自分もこんな素敵な絵が描けるようになりたい」と思い、目標設定やがんばる気持ちが生まれるのです。

 

茨城県守谷市は、保幼小中高一貫教育を積極的に行っています。教員同士の交流も、壁を取り払うことで、新たな気づきにつながるそうです。

 

守谷市立けやき台中学校で3年生の担任を持ち、数学を教える高城先生は、以前より「主体的・対話的で深い学び」(新たな教育指導要領では、アクティブラーニングをこの表現でうたっています)を行ってきました。

 

高城先生の授業では、基本的事項を説明した後、生徒たちが個人で問題に挑戦。問題を解き終え、評価してもらった生徒が先生役となり、分からない生徒に教えるという方法を取り入れているそうです。

 

「自分自身が理解していないと、人に教えることはできません。子どもたち同士で教え合うことで、お互いに高め合うことができるのです」と先生は言います。先生役の生徒が、熱心に指導するだけでなく、分からない生徒が「ここが分からない・ここが知りたい」と声をあげながら教えてもらう様子も日常的だそうです。

 

先生相手に、手をあげて「ここが分かりません」と言うのは、かなりの勇気が必要ですね。しかし、普段は一緒に活動するクラスの仲間であれば、何のためらいもなく「自分が分からないこと」をさらけ出すことができます。

 

「学びのピラミッド」というのをご存知ですか。学習方法における「定着率(忘れにくさ)」の違いを示したもので、ピラミッドの下にある方法ほど学習定着率が高く、上に行くほどすぐに忘れてしまうという内容です。

 

ピラミッドの上から順番にいくと(カッコ内は、定着率%)・・・

①講義を聞く(5%)

②読む(10%)

③音声化・視覚化(20%)

④実演する(30%)

⑤討論する(50%)

⑥体験する(75%)

⑦他者に教える(90%)

 

どうですか、高城先生が実践する、先生役になった生徒は、人に教えることで、90%その内容を忘れないということになりますね。逆に、先生が黒板の前で講義をする普通の授業を聞いているだけでは、すぐにその内容は忘れてしまうということです。

 

ホワイトきゃんばすで行っている、寺子屋での学び合いは、教えてもらう園児以上に、実は、教える園児の方が、大きな成果となっているのです。