小学校との「段差」小さく

横浜市鶴見区の鶴見小学校の話です。4月5日の入学式では、体育館に保育園や幼稚園で大人気の「エビカニクス」の音楽が響くと、1年生の担任教師4人が両手に大きなカニのツメを持って踊り始めます。そうなると、緊張気味だった新1年生も一気に笑顔で踊り始めたそうです。

 

この小学校が取り組むのは「スタートカリュクラム」だそうです。遊び中心の保育園や幼稚園から、学習中心の小学校への「段差」を小さくし、つまずきを防ぐのが狙いだそうです。

 

入学式の演出だけでなく、5月の2週目くらいまで、歌やゲームで遊ぶ「なかよしタイム」、体験や活動を楽しむ「わくわくタイム」、学習を楽しむ「ぐんぐんタイム」3つの時間帯を設けて学校に慣れるようにしているそうです。『明日も学校に来たいな』という意欲を持ってもらうのが狙いです。

 

当然のことですが、保育園、幼稚園の先生と、1年生の担任になる小学校の先生との意見交換、情報交換が必要になります。横浜市に限らず、全国でも同じような取組みが増えているようです。

 

ホワイトきゃんばすの卒園児の新1年生の話を聞いても、すぐには、教科書を開いて、時間割り通りの授業は行わず、学校探険をしたり、ビデオを見たりしている時間が4月はほとんどだったようです。

 

このような取組みで、不登校児が減っているとの報告もあり、一定の成果につながっているのかもしれませんね。

 

しかしながら、私は、保育園の子どもたちを見ていると、「遊び」から「学習」への段差という表現は、大人の考えであって、実は、学習や勉強も子どもたちにとっては、遊びの延長線上で考えています。つまり、遊びだろうが、大人が言う学習だろうが、新しいことへの興味や挑戦は、子どもにとっては同じなのです。

 

小学1年生になって、国語、算数、理科、社会と、どの教科であろうとも、子どもたちにとっては、新しいことへのチャレンジで、わくわくドキドキ体験なのです。それが、教科書が悪いのか、黒板で先生が一方通行的な教え方が悪いのか・・・「勉強ついていけない・・・べんきょうつまらない・・・」になってしまうのが、問題の本質かもしれません。「エビカニクス」を踊らなくても、「授業が楽しい」になれば、子どもたちは、遊びと同じように、学習にも集中するのです。

 

卒園児の成長を追っていくとともに、イエナプランの勉強会でつながりができた小中学校の先生と、この問題は、しっかりと考えていきたいですね。