ゲームでやってはいけない事を学ぶ

私の世代では、子どもの頃、罰ゲームとして「しっぺ」遊びをすることがありました。これは、ゲームで負けた子が手首を指2本で叩かれるという内容です。机などに、2位の子から順に手を重ねた後に1位の子が「しっぺ」をするのですが、手を重ねた子たちは、タイミングを計って逃げてもいいルールです。

 

あまり強くたたけば、たたいた方も痛くなり、かなり盛り上がった記憶があります。大事なのは、これはあくまでも遊びであり、どの子もたたかれる側にまわる可能性があるということです。そして、いろいろ経験する中で、このくらいの強さでやると痛いという力加減も学んだものです。

 

昔は、これを堂々と先生の前でもやっていました。先生も、遊びの中でやっているのだから、「そんな危険なことはやめなさい!」などと止めることもなかったですね。しかし、今はどうでしょう・・・保育や教育の現場で子どもたちが、罰ゲームの「しっぺ」遊びをしていたら「もっと違うことをしなさい!やめなさい!」と禁止してしまいます。

 

しかし、子どもというのは、そう言われると、素直にやめるのではなく、やりたくなるのが性分です。そうなると、大人の目の届かないところで、隠れてやるようになります。そうなると、誰でも「しっぺ」をされる可能性があるゲームだったのが、いつも同じ人が「しっぺ」をされるイジメになっていくのです。

 

保育園の子どもたちは、戦隊ものや仮面ライダーなどのヒーローを想定した「ごっこ」遊びで、「ぶつ」「ける」の力加減を学んでいきます。先生は、ごっこ遊びが始まれば、やめさせることはしません。見守るのです。

 

子どもたちが、ゲームの中で、様々な仮想体験をすることは、とてもいいトレーニングだと思っています。ゲームというルールの中で、「うそをつく」「人が嫌がることをする」「他人の失敗を自分のチャンスに変える」などの経験をすることは、子どもたちが、やがて社会に出て、よのなかで生きていくには大切な経験ですね。

 

さて、大人であるあなた・・・すぐに「やめなさい!」と子どもに言っていませんか?もう少し、好きなようにやらせることが大切なことが、意外に多いものです。