黙って整然と並ぶ日本人

東日本大震災や1年前の熊本地震の時など、被災地で食べ物などの支給に、順番を守り整然と並ぶ日本人を世界中の人が賞賛します。「自分の国だったら、われ先にと・・・パニックになるだろう!」と誰もが言います。

 

この素晴らしい日本人の慣習を今日は、少し斜めから考えるとします。

 

イエナプランの勉強会にやってくる先生たちは、子どもたちが、お互いの意見や考えなど「自分と違う」ことを受け入れながら、時には、相手を思いやり配慮し、きちんと自分の意見を言う時は言えるような雰囲気作りを大切にします。授業スタイルも、先生が黒板に立って、一方的に教えることはしません。

 

 そんな先生たちから見ると、学校には数人の「権威主義的」で、昔のやり方を変えない先生が必ずいるようです。

 

「いいか・・・先生として大切なことは、いかに生徒を黙らせることができるかどうかだ」というアドバイスを平気でするベテラン教師もいます。これは、教育ではなく先生の自己満足ですね。

 

「静かにしろ!」「廊下を走るな!」「黙ってまっすぐに並べ!」よく耳にする、先生が生徒に言う掛け声です。私たち日本人は、こんな教育を子どもの頃から当たり前に受けてきました。先生の授業は、静かに聞くことが大切で、疑問があってもあまり質問する生徒は少ないのが実態です。

 

震災という非常事態だけでなく、様々な場面で、黙って整然と並ぶ日本人は、実は、日本の教育の「とにかく言われたとおりにやりなさい!」という考えることをさせない躾がもたらした予想外の産物かも知れません。

 

これからの教育は、「静かにしろ!」の掛け声には、「どうして?」と、子どもたちに考えさせることが必要ですね。今の子どもたちの多くは、条件反射的に「静かにしている」だけかもしれません。

 

これからの子どもたちには、この素晴らしい日本人の慣習に、「どうして?」「なんで?」の問いをたくさん出してもらいましょう。

 

保育園で、屋上に遊びに行くとき、教室から出て、お店の中で園児たちは待機します。「ここはお店の中だからお客様がいます。大きな声は、屋上に行ってからしてね・・・」と子どもたちには、言っています。

 

しかし、時には「静かにしなさい!」と理由を言わない時もありますね。条件反射で子どもたちを動かすのではなく、考えて動くようにしなければなりません。