「泣いた赤おに」から友情の本質を考える

今日は七夕ですね。九州地方は、豪雨で大災害となっています。のんきにお星さま・・・とは言えませんが、子どもたちは、夜空の星に向かって、願い事をしているようです。そして、午後の七夕のおやつは、調理の先生の力作で、カフェに出てくるような「七夕スイーツ」です。カップのベースは角切りのスポンジケーキで、星型のカルピスゼリーが乗り、ビスケットには流れ星のイラスト入りです。38個もがんばって作ってくれました。

 

さて、ファームの収穫もインゲン豆に、オクラ、ピーマン、そして、ようやくトマトが赤くなり始めました。来週は、プールを楽しみながら、ミニトマトを頬張る子どもたちになりそうです。そして、寺子屋園児はとうもろこしの収穫をしました。

 

実は、すでに鳥に数本食べられていました。カラスは、大胆にとうきびごと枝から引きちぎり、上手に皮をむいて、食べ終わったとうもろこしの芯だけが転がっています。子どもたちは「カラスめ!」などと怒っていますが、カラスや鳥たちも生きていかねばなりません。こんな経験も子どもたちには、何かを考えるきっかけになるようです。

 

今日の話は「泣いた赤おに」です。保育園でも読み聞かせ本の上位にランクされ、小学校の教科書にも出てきます。

 

山に住む、人間と仲良くなりたいと思っている一人の赤おにのために、青おにが人家で暴れ、それを赤おにが懲らしめるという芝居を打ちます。そして、人間と仲良しになれた赤おに・・・しかし、青おには「僕と付き合っていると君も悪いおにだと思われるから僕は旅に出ます。君を忘れません」という張り紙を残し、それを読んだ赤おにが涙を流すという話です。

 

いわゆる、教師のアンチョコでは、物語りを読んで、赤おにと青おにの心情を理解した後、「自分も友だちにしてもらってうれしかったことは何ですか」などと聞き、最後には「青おにのように友だちに優しくしよう」と先生が呼び掛けて終わるようなイメージです。

 

これでは、本当に、子どもたちが友情の本質考えるまでには至らないですね。そこで、ある先生は、こう子どもたちにアプローチします。

 

「赤おにと青おには、良い友だちと言えるの?だって、赤おには、人と仲良くなりたい事に重きをおいているんじゃないの?」

 

「二人の心が一番つながったのはいつ?」

 

どうやら、二人の関係が「支え合いがない」という流れに、クラスの意見が傾いた時に、ある児童が言ったそうです。

 

「赤おには行動しなかったけど、青おににとっては赤おにの存在自体が支えになっていたと思う」・・・どうですか、子どもたちの深い考えが引き出せたようですね。

 

友情の本質なんて言うと、とても難しいですが、子どもたち一人一人が考えて、

自分の答えを出せるようなアプローチが大切ですね。