話しかけない接客

夕方・・・空一面に広がる「虹」を見ました。台風の影響で雨が降っていたところに、薄日が差して、それはそれは見事なアーチです。お迎えのママたちが教えてくれたのですが、4歳女の子は、「すごいキレイだったよ・・・ダブルで虹が出ていたよ・・・」と感動のコメントです。

 

さて、サラリーマン時代に、地方出張でタクシーに乗ると、運転手さんが話しかけてくれることが多かったですね。私も、その土地のことを知りたいという気持ちが強かったので楽しい時間でしたが、京都市の「都タクシー」では、今年3月から約4ヶ月間、運転手が車内での声かけを抑制するタクシー10台を試験的に導入したそうです。

 

今、「話しかけない接客」を取り入れる衣料品店や美容院が増えているそうです。私など昭和のオヤジにとって、丁寧な言葉遣いや声かけは、接客サービスの基本と考えるところですが・・・どうも、最近では「おもてなし」の形が少しずつ変わってきているようです。

 

店員に話しかけられると「買わないといけない」というプレッシャーを感じるから、もっぱらネット通販を利用するという若者の声が多いとか・・・。あるアンケートでは、「服を買う時、そっとしておいてほしいと感じたことがある」という設問に「はい」と答えた人は8割を超えたとのことです。

 

こうした中、あるセレクトショップでは、手に持つと「声かけ不要」の意思表示になる店内用ショッピングバックを導入し、「久しぶりにゆっくりと買い物ができた」と好評だそうです。また、店側としても、店員を必要とする客に集中して対応できるメリットがあるそうです。

 

美容院では、来客カードに「物静かな美容師に担当してもらいたい」「ヘアスタイル以外の話はしたくない」といった項目を設け、お客様に選んでもらっていると、半数が「話したくない」を選ぶそうです。

 

こうしたサービスの登場について「コンビニエンスストアやファストファッション店利用が日常化し、店員とほぼ話さず買い物をするスタイルが定着した」「スマホで商品情報の収集が容易になり、店員の助言を必要としない人が増えた。以前は、美容師やタクシーの運転手と会話を楽しんでいた『手持ちぶたさ』の時間が、今はスマホを操作しながらの『自分の時間』になっている」と専門家は分析します。

 

先日の保育園の夏まつりでは、お店屋さんを頑張った園児へは「いらっしゃいませ!」の声がけの練習を行い、見事にコミュニケーション能力を発揮していた子どもたちを見ると、「いらっしゃいませ」を言わない接客なんて!・・・と思う私ですが、日本の「おもてなし」は、「静かに買い物させて!」と「店員さんとの会話を楽しみたい!」の両方の対応ができるところまで進化したと受け止めることにします。

 

十分、納得していませんが・・・(笑)