オリのない動物園

北海道の旭山動物園の取組みから、日本の動物園が、鉄柵やオリに入った動物を見るというスタイルから変化してきました。私も10年以上前に、飛行機ではなく、夜行列車2泊の旅を楽しみながら、我が子たちと旭山動物園に行きました。

 

「もぐもぐタイム」で、動物がエサを食べている姿を目の前で見たり、ガラスドーム越しですが、狼と目が合うなんて・・・子どもと一緒になって感動したものです。

 

山口県宇部市にある「ときわ動物園」は、オリがない動物園として知られています。アマゾン川流域を再現した水辺にカピパラの親子がのんびり座っています。実際は、高さ1メートルの網の柵で仕切られているそうですが、柵の色は風景に溶け込み、来園者からはよく見えないそうです。

 

他にも、スマトラ島の樹林を再現した区画には、シロテナガザルの親子が枝から枝に飛び移ります。リスザルの島では、高さ2~3メートルの低木の中をリスザルが走り回っているものの、水掘で仕切られていて、オリはないそうです。

 

生息地に近い環境をつくって、動物の自然のままを見せる手法は、日本では「生息環境展示」と呼ばれ、最近では多くの動物園で取り入れられています。

 

飯田市立動物園では、南アルプスの風景とともに、急な岩場を歩くカモシカを見ることができ、長野市の茶臼山動物園では、レッサーパンダが生息する中国四川省の山に似せて樹木を植えたそうです。

 

私も行った事がある、横浜市のよこはま動物園ズーラシアでは「チンパンジーの森」が有名です。熊本市動植物園の「ニホンザルの里」は、動物園でよくみられるコンクリート製のサル山をやめ、熊本の森林や村の風景を再現した中でニホンザルを展示しているそうです。そこでは、ニホンザルが農作物を荒らすようになった経緯もパネルで開設されています。

 

どうですか・・・日本の動物園も、ずいぶんと風景が変わってきたようですね。上野動物園のように「パンダ」という人気の動物に頼らなくても、素敵な動物園が増えてきたようです。

 

夏休みも折り返しです。動物園や水族館に行くにも、選択肢が増えてきたようです。少しだけ、目的や親子の会話を考えて、出かけてみると、子どもは、動物の名前を覚えるだけでなく、一歩先の興味を持つかもしれませんね。