ファームステイ

東京都の約5倍という面積を有する、北海道の十勝平野。牛や羊が広大な大草原で放牧されていて、ジャガイモやとうもろこし畑が一面に広がる風景は、日常生活とは無縁の憧れの場所でもあります。そんな酪農王国の一端を体験できるファームステイが、十勝では行われているそうです。

 

十勝北西部に位置する「藤田牧場」では、体験型教育プログラムが人気を集め、年間の利用者は4000人以上に上るそうです。この牧場では、見学ツアーのほか、様々な体験コースを用意しています。乳搾りや干し草やりのほか、トラクターの乗車体験では、運転免許が不要な広大な敷地の一部をトラクターでドライブすることができるとあって、成人男性にも人気があるそうです。

 

保育園の親子遠足で、埼玉県上尾市にある「榎本牧場」に行ったことがありました。子どもたちは、そこで牛や豚や馬を見るだけでなく、牧場体験をしたのです。乳搾り・えさやり・ブラッシングを体験したのですが、初めての牧場体験に、子どもたちの目の輝きが、尋常ではありませんでした。(笑)

 

「私たちにとっては自然な暮らしなのですが、都市部に暮らす人にとっては非日常的な体験。リアルな牧場の生活を楽しんでいただき、さらに食卓に上がる牛乳や食材が作られるプロセスまで理解してもらえればうれしいですね」と、4代目の牧場主は語ります。

 

「酪農王国」といわれる十勝は、全国生産量の約4割を占めるという、日本一のナチュラルチーズの名産地でもあります。北海道のナチュラルチーズの先がけが、十勝西部の新得町にある「共働学舎新得農場」で、1978年の創業以来、牛の飼育から最終製品化までを手掛けています。

 

現在では、約100ヘクタール(東京ドーム21個分)の広大な敷地内に、約100頭の乳牛を放牧。生きた青草を与え、できるだけ自然に近いかたちで飼育しています。「牛もストレスなく育てられたほうがミルクもおいしい。それは人間も同じかもしれません」と農場の代表は笑います。

 

夏休みに、子どもたちにこんな体験をさせてみたいものですね。私も、学生の頃に、リュックと寝袋を担いで、何度も北海道を旅した経験がありますが、それは、北海道への憧れの思いからでした。

 

しかし、牧場生活が、ただの憧れではなく、ちゃんと生活の基盤となる収入があり、生きていくことへの「ふつうのしあわせ」につながるのであれば、住んでみたい場所になるかもしれませんね。子どもたちにとって、生きていくには、たくさんの選択肢があって、自分で考えれば、さらに選択肢を増やすことが出来ること。そして、最後は、自分で選択することを学んで欲しいですね。