修学旅行・・・班行動が人気

今日の連絡ノートには、土曜日の親子遠足の感想がいっぱいです。初めて参加する保護者は、「大人も勉強になり、自然を満喫し、自然の見方が変わった」と言います。子どもたちの「楽しかったことは?」の多くが、「ヘビに触れたこと」と「お弁当おいしかった」のようです。(笑)

 

さて、皆さんは、中学3年の修学旅行を覚えていますか。関東の学校なら、京都・奈良が定番ですね。私も30年以上前になりますが、はっきりと覚えています。当時は、バスでの集団行動が主流でしたが、私の通う中学校は、当時では珍しい「班行動」の修学旅行でした。

 

私の班は、皆が行くような有名な寺院をことごとく避け、嵯峨野にある化野念仏寺(あだしのねんぶつでら)で、何百体もある石仏をじっと眺めていました。今では、有名になった詩仙堂の庭を1時間くらい、ぼっ~見ているだけの時間が、とても充実していました。

 

そして、時代が流れ、現在の中学3年生の修学旅行の形態は、「班行動」が人気なのだそうです。事前の学習を通して、見学場所を決め、ルートを検索し、交通費や拝観料を算出して、行動計画を作る。

 

もちろん、学校側のねらいは、生徒の主体性を重んじ、生徒の自主的な行動を促すことにあるのですが、どうやら、最近では、目的地に到着することを急ぐあまり、肝心の見学そのものはあっという間で、「まるでカラスの行水ツアー」と皮肉を言われるような事態になっている学校も多いそうです。

 

よく考えれば、旅というものは、道に迷ったり、ぶらり寄り道をするのが楽しいのであって、時間通り、計画通りが優先事項の「班行動」では、見逃した情報があれば、あとでネットで調べればいい・・・くらいの感覚になっているのかもしれません。

 

最近では、ボランティアのシニアガイドさんも多く見られるようになり、ネット情報では得られない、生徒たちの興味をそそるような話が聞けるかもしれませんね。ガイドの楽しい話を聞き、質問しながら、歴史を学ぶことも大切ですね。

 

修学旅行を普通の旅と一緒にするな!と怒られそうですが、今でも、私が中学の修学旅行を楽しい思い出として覚えているのは、予定優先のがんじがらめの班行動ではなく、自由と自己責任が認められた班行動だったからかもしれません。

 

班行動が、オリエンテーリングのように、正確なポイントを時間通りに通過することが優先されるのであれば、まったく、面白くないですね・・・(笑)