無意識の偏見

ダイバーシティという言葉が、頻繁に使われるようになりましたね。女性、シニア、外国人、障害者などの多様性を受け入れるのが、当たり前の社会を目指して、日本も大きく変わりつつあります。

 

 「フレッシュなアイデアが欲しいから若い社員を起用したい」

「子育て中の女性は大変だから、責任の重い仕事を任せないようにしよう」

 

一見、まっとうな考えと思われますが、ここには、誰もが意識しないままに抱いている固定観念や思い込みという「無意識の偏見」が潜んでいます。

 

年配の方でも、フレッシュなアイデアを持っている人はたくさんいますね。経験が活かされることもあります。完全に年齢による偏見です。また、子育て中の女性に配慮してきたつもりだったのが、能力のある人材の活躍の機会を失わせていたのかもしれませんね。本人の意向を確認する必要がありますね。

 

ある大企業の管理職に聞き取り調査をしたところ「女性はしんどい仕事をする必要はない」という無意識の先入観が多いことや、扱いが苦手という結果が出たそうです。管理職の世代を40代50代の男性と想定すると、学校では「違いを認めよう」ではなく、「みな同じにしよう」の教育を受けてきた世代ですね。女性に対する偏見があるというのも、理解できるような気がします。

 

また、管理職の中では、逆に配慮しなければならないと思い込み、「個人的な事を尋ねることは、ハラスメント(いやがらせ)にあたるのでは」と警戒して、部下とのコミュニケーションを避けてしまうことが起きています。

 

相手が求める配慮は何かを尋ねることなしに、固定観念や思い込みで、部下に接することは、逆にありがた迷惑な行為と言えます。

 

子育てにおいても、無意識の偏見があるかもしれません。

 

「子どもは、褒めて伸ばす」→子どもによって、対応は色々・・・一つの答えなどありません。よって、この法則はすべての子どもには当てはまりません。

 

「女の子だからピンクがいいでしょ・・・」→色の好みは、男女関係ありませんね。

 

日本人は、血液型による性格分類が大好きですね。しかし、これも今では、根拠のないことだと言われています。県民性で相手を判断することも大好きです。これも、地域による文化や慣習の違いはあっても、性格分類には全く関係がありません。

 

私たちは、自分の中にある「無意識の偏見」を洗い出す必要があるのかもしれませんね。