民間校長 井坂明良

今日の屋上では、水たまりにたまった水を水きりモップやデッキブラシを使って、排水溝へ流し込むという、ただただ単純な作業に、子どもたちは夢中で取り組みます。「水道工事です~」と、いつの間にか、ごっこ遊びになり、子どもたちの靴は、びしょ濡れになるのです。「よ~し!きれいになった!」と子どもたちの達成感はMaxです。(笑)

 

さて、今日は民間校長の話です。今や、民間企業出身の校長先生は全国にたくさんいますので、驚くことではないのですが、ついに、タイトルにある小説が出版されました。小説ですのでフィクションですが、現実的なストーリーに引き込まれていきます。

 

ある地方の小学校に、民間採用の校長が赴任します。職員が戦々恐々としているところ、案の定さまざまな提案を繰り出してきました。

 

「舞台から見下ろして話すことになるので、今後朝会はなくしたいと思います」

「校長。では管理職の任務を放棄するんですか?」というベテラン教員に

「毎朝、各クラスを回って、15分程度お話させてください。話す内容も学年やクラスの状況にあったものにしていきたいと思います」

 

「秋の運動会で、残暑が厳しいのなら、校庭のナイター施設を利用して、夜間にやりましょう」

「学校の決まり作りを子どもたちに任せてみては・・」

 

これらの提案は、奇想天外なものではなく、論理性のあることで、徐々に理解を示す職員が増え始めていきます。

 

最後は、反対の急先鋒だったベテラン教員から「校長。卒業間近の6年生に学校でのお泊まり会をさせたいんですよ」と提案があがります。

 

すると校長は「願ってもない要望です。全校体制でやりましょう」となり、感動のお泊まり会実施まで、怒涛の1年間が進むことになるというストーリーです。ノンフィクションのようなフィクション。誰もが「こんな学校で学びたかった」と思えるような気持ちになる小説です。

 

全国あちこちの学校で、子どもたちを主体とする、様々な改革が進んでいます。この小説では、民間校長を取り上げていますが、長く教員を経験した叩き上げ校長も、改革に活躍していることは言うまでもありません。

 

教員に限らず、仕事を持つすべての大人は、「現状でいいのか?」を時には、考える必要があることでしょう。

 

どうですか・・・あなたの仕事・・・今のままでいいですか?