自立貢献

少し硬い言葉ですが、「自立貢献」という言葉は、私の好きな言葉です。実は、全国の中学校などでは、この言葉を理念に掲げているところが多いのをご存知ですか。

 

杉並区の和田中学校は、東京都で初めての民間人校長である藤原和博さんが、「よのなか科」を立ち上げるなど、今までの枠にとらわれない改革を行った事で注目を集めましたが、その和田中学校の学校だよりの題目は、「自立貢献」です。

 

「自立貢献」の意味を考えてみます。

 

「自立」とは、時にはアドバイスを受けながらも、自分のことは自分で考え、自分でできるようになることです。学習面では、将来の目標に向けて、計画的に意欲を持って見通しをもった学習が出来ること。生活面では、人任せにせず自ら進んで取り組み、まわりの人たちと適切にかかわっていくこと。精神面では、自分で善悪の判断をし、自分の可能性を実感しながら、自らの力で未来を切り拓こうとすること・・・

 

「貢献」とは、人のために行動する、人のことを思うことです。相手を思いやり、優しさの心をもち、自分の家族、友だち、クラス、学校、地域、日本、世界などに貢献する心をもつことが必要・・・

 

文章にすると、こんなところでしょうか。他人に「してもらう」「やってもらう」という受け身な姿勢ではなく、「自分は何ができるのか」を考え、実行することですね。

 

民間企業で勤務し、会社経営を経て、横浜市の2校の中学校校長を8年間勤め、4月からは、広島県教育委員会のトップである教育長に抜擢された、平川理恵さんも、校長として「自立貢献」を掲げて、学校運営・経営にあたっていました。

 

「自立貢献」は目指すべき生徒像であると同時に、目指すべき教師像でもあると、平川さんは言います。赴任当初は、先生方がびくびくしていて「失敗してはならない」という恐れにとらわれていたそうです。

 

校長として、そうした先生方と外部との間に立って、緩衝材のような役割を務めたそうです。そして、教員が主体的でなければならないと考え、当時問題であった不登校対策として「特別委支援教室」を設け、そこに教員のエースを専任させます。30人いた不登校児が1人になったそうです。

 

企業論理では、期待する新規事業や新たな開発部門にエースを投入するというのは、セオリーですが、学校では、必ずしもそうではありませんでした。

 

「自立貢献」という、いかにも学校の理念にふさわしい言葉ですが、私たち大人も、この言葉・・・受け止めてみませんか。