新たな教育への取り組み

東日本大震災で多くの学校が被災し、継続が困難な状況となりました。7年が経過し、町の復興と共に、学校の復興も進んでいます。単に、校舎が新しくなっただけではありません。震災をきっかけに、新たな教育がスタートしています。

 

福島県の相馬市にある磯部小学校は、児童の減少で複式学級化が進みました。同じ学年での授業が当たり前だったので、当初は、先生たちも指導への困難を感じたようです。しかし、これを転機と考えて、新たな取組みを目指しました。

 

自分の考えを持って主体的に学ぶ子どもたちの育成を目指すための取組みをスタートさせます。1人1台のタブレット端末が用意され、各教室には、電子黒板が配置されました。これで、先生の一方通行の授業から児童の主体的な学びにシフトします。

 

また、ホワイトきゃんばすでは当たり前の、異年齢での学び合いですが、複式学級ゆえに、子どもたち同士が教え合い、学び合いをする「協同学習」に力を入れたそうです。

 

このような授業スタイルの変化によって、自分の思いや考えをまとめて相手に伝えたり、友だちの考えを共有したりする活動で、一人一人の学習が深まっていったそうです。磯部小学校の児童たちは「分かりやすく話す」事への意識を強く持っているとのことです。

 

また、放射線教育についても、地域の現状を子どもたちが科学的に理解し「正しく恐れ、賢く避ける」という考え方が身に付いています。

 

ピンチをチャンスに・・・と言葉にするのは簡単ですが、被災地の多くの学校が、震災をきっかけに、こうして新たな教育をスタートさせていることは、注目すべき内容ですね。そして、ここに、私たちが学ぶべきヒントがあるような気がします。