ヒトのマネをすること

保育園での、寺子屋当番さんの朝のインタビューでありがちなことです。「好きな食べ物は何ですか?」という質問に、一人目の答えが「チョコレート」なら、続く園児たちも「チョコレート」とマネをしてしまいます。

 

「おいおい・・・他の人と同じことを言ってるんじゃないよ!自分が思っていることをちゃんと言いなさい」とおやじ園長は言ってしまいます。民間企業に勤めていた時から、ヒトのマネが大嫌いだった私ですが、正確に言うと「他人から、人まねとばれてしまう行動が大嫌い」というだけで、さも、オリジナルといった顔をして、ちゃっかりとヒトのマネをたくさんしてきました。(笑)

 

スポーツや音楽の世界で名を残す人たちも、人まね名人が多いのです。

 

あのプロ野球で、今だに誰も達成していない3度の三冠王を達成した落合博満さんは、「オレ流」という言葉がトレードマークで、やわらかいリストをしならせた、独特のバッテイングは、オリジナルの極致と思われますが、実は、落合博満さん自身が、「スポーツでも、経営でも、上手にやりたいなら、ヒトのマネをしなさい」と公言しています。

 

彼は、今話題の秋田県出身ですが、高校時代は野球部の体質が気に入らずに、まともに活動していなかったようです。大学も、同じように野球部の体質が合わず中退。その後、社会人野球を経て、プロ野球に入団したのは、25歳という遅咲きです。しかし、3度の三冠王や日本人初の年俸1億円プレーヤーになります。監督でも日本一にもなりました。凄いのは、監督としてのすべての成績をAクラス(3位以内)にしています。

 

そして、あの独特のバッテイングは、我流のフォームを、入団当時の先輩をマネして、自分のモノにしたのです。つまり、ヒトのマネをすることは、時と場合によっては、とても重要なことなのです。

 

ということで、今日の屋上での水泳教室は、「飛び込みが得意な子」「バタ足がきちんとできている子」「平泳ぎのキックが美しい子」をお手本にして、みんなで見ることからスタートしました。お手本に選ばれた園児は、これでもか!とがんばってくれました。人に見られる快感に酔っていました。

 

屋上のプールは、楽しく遊ぶことが一番大事ですが、子どもたちの中には「もっと上手に泳ぎたい」という園児が何人かいます。その近道は、「ヒトのマネをすること」なのです。

 

どうですか・・・人まねのイメージが変わってきましたね。ただし、最後は、自分の形にすることが、大切なのです。今日は、「学問のすすめ」ではなく「人まねのすすめ」でした。(笑)