アリの教え

今日も生き物の話です。アリの教え・・・です。

 

プールが見学の園児と、畑の草取りをやっていました。インゲン豆の場所です。夏は、少しの間で、雑草が子どもの背の高さまでになります。インゲン豆のあとには、ジャガイモを植える予定です。このジャガイモは、年明けの芋煮会の材料になります。

 

草取りをしていると「えんちょうせんせい・・・アリがいます!」という報告になります。このアリたちは、夏の間に、せっせと食べ物を巣に運び、冬に備えるのです。アリとキリギリスの話は、子どもたちも理解できます。

 

アリの巣はとても不思議です。種類によって色々ですが、たいがいは、巣穴の奥底に「女王アリ」がいて、全てのアリをコントロールしています。しかし、直接全てのアリに女王アリが情報を流しているのではありません。

 

アリは働き方がきっちりと決まっていて、役割分担がどの段階でつくられるかは、はっきりしませんが、「遺伝子」と「孵化した後の幼虫に与えるエサ」によって変わると考えられています。

 

情報の基礎は、触覚による触れ合いと、化学物質のフェロモンです。フェロモンを巧みに使い、集団を1か所に集合させることができるのです。とても不思議な生き物ですね。

 

では、ヒトの場合はどうでしょうか。もちろん、ヒトはアリよりも高度な社会を形成しているのですが、生まれたばかりの赤ちゃんには、社会性の基盤はほとんど見られません。人間社会は、遺伝やフェロモンではなく、そのほとんどを生まれ出た後の教育によって、培っているのです。

 

家庭や地域、学校という集団生活の中で、ヒトは、社会性を学ぶのです。

 

アリの教え・・・は、私たちは、子どもに対して、フェロモンという魔法は使えません。そこで、言語など様々なコミュニケーションを駆使して、社会に通用する大人へと育てます。ヒトの場合は、もっとやっかいで、子ども自身がやる気になるようなやり方でないと、うまくいきません。

 

どうすればいいか・・・1つの答えがないのが、やっかいですが、楽しいのです。