30年で小学生の読書量が3分の1に

保育園の壁面に現れた3体の鬼・・・保育園らしくないリアルな鬼です。目は飛び出し、その顔立ちは、恐怖以外のなにものでもありません。朝から、登園する子どもたちは大騒ぎで、保護者達からも「すごいですね~」と盛り上がります。

 

間もなく、節分ですが、主任と給食の先生が「なまはげ」をモチーフにして、作り上げた自信作です。とてもリアルです。

 

子どもたちは、「怖くなんかないもん!」と言いながらも、なまはげのセリフ「泣いてる子はいないかい!?」をドスのきいた声で言うと、ビビります。しかし、最近は、鬼=悪者という偏ったイメージも薄れつつあるので、朝の読み聞かせでは「泣いた赤鬼」を読みます。何度も読んでいる絵本ですが、あらためて「青鬼さん」の優しさを子どもたちは感じたようです。

 

さて、2019年8月に全国の小学生1200人(保護者付き添い)を対象にインターネット上で、学研教育総合研究所がまとめた調査によると、30年前と比較すると、読書量は3分の1程度に減少しているそうです。30年前というと、保育園の子どもたちの保護者よりも少し上の世代ですね。

 

19年調査では、1ケ月の読書量は、平均3.1冊となり、30年前の平均9.1冊から大幅に減っています。1年生が3.8冊と一番多く、高学年になると塾通いなどが増えることもあって、読書量が減る傾向にあります。5年生が2.3冊で6年生が2.4冊という結果です。

 

読書量だけではありません。テレビを見る時間も1日当たり平均1時間15分で、30年前の平均2時間5分と比較して、6割程度に減っています。

 

この結果については、たいがいの人が「そうだろうなぁ~」と感じているでしょう。30年前と比べ、読書量やテレビを見る時間が大幅に減ったのは、スマホなどの通信機器の普及が進み、子どもたちは、動画の閲覧やゲームに時間を充てているからです。

 

昨今、教育機関だけでなく、様々なメディアで、これからのAI時代を前にして、子どもたちは、「自分で思考し判断することが大切である」といったコメントを多く聞きますね。ホワイトきゃんばすでは、ずっと「自分で考えて自分で答えを出せる大人になる」を目指して、子どもたちを育てています。

 

子どもたちにとって、読書は、自分で考えて判断する力を養う大きな機会ですね。しかし、「読書をしよう!」と大人が叫んだところで、今のスマホ時代では、現実的には難しいかもしれません。

 

ますます、学校での授業の在り方や親の子どもへのアプローチが重要になってきます。これから先も、時代が変わり環境も変わっていきます。しかし、「自分で考えて判断できる」人は、必ずどんな時代になっても生き残っていけます。そんな子どもたちを育てるのが、私たち大人の役割でもありますね。