HSC「気持ち分かり過ぎる子」

今日から5月ですね。令和の元号となって「祝1年」というのに、まだまだ今月も見えない敵と戦い、我慢を強いられる1ケ月になりそうです。ゴールデンウイークの新しい楽しみ方を考えることにしましょう。

 

屋上には、あたたかい気候につられて、「クマバチ」が、ざっと5匹は飛んでいました。黒くてずんぐり体形のグルテスクな風貌で、「ブーンブーン~♫」と、重低音のヘリコプターのごとく、低空で旋回しています。子どもたちは虫網を持って、クマバチを追いかけます。3人の園児が見事ゲットしました。もちろん、オスですので刺されませんし、キャッチ&リリースで再び大空へクマバチは飛んでいくのです。

 

さて、「HSC」という言葉をご存知ですか。他人の気持ちや周囲の刺激に敏感で、ささいなことが気になって疲れてしまう。こうした特性を持つ子どもを最近は「HSC」と呼ぶそうです。「HSC」とは「Highly sensitive  Child」で、「ひといちばい敏感な子」と訳します。日本では、平成27年に最初の邦訳が出たそうです。

 

「HSC」はだいたい5人に1人くらいの割合でいるといわれています。かなり多いですね。敏感というのは、ちょっとした物音でも聞きつける、においや味、肌触りにも敏感で、チクチクしたものが苦手です。

 

一見、発達障害のと誤解されることもあるそうですが、発達障害の子どもは、人の気持ちにはなかなか気付きにくい、空気を読むのが苦手という特徴がありますが、「HSC」の子どもは、むしろ人の気持ちが分かり過ぎるくらい分かります。そのため、親の気持ちも察知して顔色を見ていたり、学校でも他の子がつらい思いをしているのを自分のことのように感じて、心を痛めたりもします。

 

もちろん、長所もたくさんあって、人の気持ちに気付くので優しい。感覚的に敏感なので、異変に気付いたり危険察知が早いのです。

 

その一方で、人が気にしないところまで気になってしまうので、集団生活の中では疲れてしまうことが多いのです。不登校や登校しぶりの子で、別にいじめにあったわけでもないのに、学校に行こうとすると腹痛や頭痛を訴えるような子は、ほとんどの場合「HSC」だと考えられるそうです。

 

また、「HSC」の子は、人のネガティブな感情をまともに受け取ってしまうため、教師がクラス全体を前に大声で叱ることが続くと、それだけで教室が怖くなってしまうので、必要な配慮が求められます。

 

5人に1人というのであれば、「HSC」に必要な配慮は、実は、すべての子どもたちにとって必要な配慮だと言えるかもしれません

 

保育園でも、本当に細かいことにまで気がつく園児が、何人かいます。「HSC」と呼ばれる子どもが存在することを今日は覚えてください。