上からの目線

一昨日、横田めぐみさんの父、横田滋(よこたしげる)さんが亡くなりました。これを機に、拉致問題が進展するのなら、故人も少しは安堵するのでしょうが、娘が13歳の時に拉致されてから43年間会うことができなかったことは、さぞかし無念だったことでしょう。講演した回数は、合計1400回以上だったそうで、人生の半分を娘を取り戻す活動に費やしたのです。

 

1日前に逝った私の父も87歳で、横田めぐみさんは私と同じ年齢です。かつて、仕事で新潟県を担当していた私は、百貨店のギフトショップまわりに、レンタカーで日本海側を走りながら「この海岸で悲劇が起きたのか・・・」と、一人感傷的になった記憶が蘇ります。心よりご冥福をお祈りいたします。

 

さて、「上から目線」は、印象が悪い行為の一つですが、今日は「上からの目線」の話です。

 

組織のトップ、例えば民間企業の社長が、社員に対して、あまりにも細かい指示を出しすぎて、何でもかかわりたいタイプの会社なら、社員にとっては、「係長」がたくさんいるような環境となり最悪です。全員が係長をやっていては、組織として余裕がなくなり、深刻な機能不全に陥ります。

 

スポーツの世界でも「名選手名監督にあらず」という言葉がありますね。名選手だった人は、細かい技術論にこだわるあまり、全体を見る目がなくなるからです。管理職には管理職として求められる資質や能力があり、とりわけ全体を見通せる「上からの目線」が必要なのです。

 

繰り返しますが、「上から目線」ではなく「上からの目線」です。

 

部下と一緒になって汗をかく上司は、美談となりますが、温かな視線は、あくまでも高いところから降り注ぐことが重要なのです。

 

どうですか・・・あなたが管理職の立場であれば、部下を信じる視線が結果的に一人一人の力を発揮させ、小事にこだわらない懐の深さが、リーダーとしての誤りのない判断を下せる確かな視野をもたらしてくれるのです。

 

先日、我が家にも○○マスクが配達されました。今頃届いても・・ということはなしにしても、一家族2枚という中途半端な数量とこれにかかる費用を考えたら、「係長」的な対策であって、「上からの目線」での冷静な判断とは言えませんね。