これぞ主体的な学び!

明日の親子遠足への期待やワクワクが止まらない子どもたちです。「園長先生・・・明日の遠足楽しみ~」と言うので、「何が楽しみなの?」と聞くと、「お弁当とゲーム大会」だそうです。

 

本当は、フィールドワークで自然を学んでもらいたい園長ですが・・・明日はどうなることやら・・・楽しみですね。

 

さて、今日は、昨年の教育賞で最優秀賞を受賞した授業内容を紹介します。石川県白山市立松任中学校の平真由子教諭の社会科の授業です。

 

平先生は、大正時代の振り返りから授業をスタートさせます。大正時代について「明るい」「活気がある」などの意見が生徒から出され、世相が上向きになっていた状況を確認した後、いきなり、1945年(昭和20年)に、ジョー・オダネル氏によって撮影された「焼き場に立つ少年」を生徒たちに見せます。

 

昨年11月にローマ教皇が長崎を訪問した際に、この写真が、世界で大きく注目されました。亡くなった赤子を少年が背負い、これから焼く場面を写したものです。生徒からは、「赤ちゃんが亡くなっているなら、二人の両親も亡くなっているのでは」という率直な意見が出ます。

 

ここで、平先生は「大正時代が終わってからの20年間で何が起きたか」「この少年のような状況を阻止する選択肢はなかったのか」と、昭和初期の20年間の世界と日本の出来事を年表で確認しつつ、生徒一人一人に疑問を書き出すよう指示します。

 

このような流れで、生徒たちの自由な話し合いが続きます。「ポツダム会談の時に日本が受諾していれば、原爆の被害が防げたのでは」「原爆は防げたとしても、そこまでの犠牲についてはどう考えるのか」・・・話し合いの中で、途中で考えを変える生徒も出てきます。

 

そして、授業が終わると生徒たちから歴史を学ぶ意義について感想がありました。「同じ失敗を二度と繰り返さず、良かったことをこれからの社会や自分の人生に生かしたい」「辛い出来事から逃げずに受け止め、今までつないでくれた人々はとてもすごい。自分もそうなりたい」

 

どうですか・・・これぞ、主体的な学びですね。戦争体験を引き継ぐことの大切さだけでなく、歴史から学ぶことを生徒たちは、大きく意識したことと思います。