栄光なき天才たち

いよいよ、保育園の「ケズメリクガメ」を子どもたちにお披露目です。予想通りの大反響です。ケースの前に貼りついて、リクガメが歩くたびに大騒ぎです。スポットライトの下は、30度以上の温度です。カメは変温動物で、人間のように体温調整ができません。自分で、温かい場所とそうでない場所を行ったり来たりしながら、体温調整をするのです。

 

入浴もしました。1日1回の入浴が、リクガメにとっては、体があたたまり、排便を促します。そして、食欲が増すというわけです。入浴といっても、リクガメは泳げませんので、顔は水につからないように浅めのお風呂です。

 

エサを食べるシーンも観察できました。今日は、モロヘイヤとベビーリーフを食べました。さすがに、子どもたちギャラリーがたくさん見ているので、シェルターの中で隠れる時間も多かったですが、子どもたちは、カメを前に笑顔いっぱいでした。何日かすると、飽きてくる園児も出てきますが、屋上を散歩させたり、エサになる野草を集めたり、子どもたちの世話が増えてくると、リクガメのいる生活が当たり前になっていくのでしょう。

 

さて、どんな天才でも、その実績を当時の権威や世間から認められず、不幸にも歴史の影に埋もれてしまった偉人は今までにたくさんいます。

 

アメリカの発明家エシャ・グレイは、電話の発明に尽力した人物ですが、電話と言えば、グラハム・ベルが有名ですね。エシャは、グラハム・ベルよりわずか2時間特許の出願が遅れただけで発明家として認められなかったのです。

 

昨年の大河ドラマ「いだてん」でも登場した、日本人女性初のオリンピックメダリストである人見絹江さんは、女性が陸上競技をやることに対する偏見が根強い中、各種競技で世界記録を更新していきます。しかし、24歳の若さで肺炎で亡くなっています。

 

遺伝学の祖といわれるメンデルは、「メンデルの法則」の論文を発表します。しかし、当時の生物学者から、科学的実証方法が認められず、半世紀後に認められた時には、すでに亡くなっていました。

 

彼らは、時代が違えば、正当に評価され異なる人生を送っていたかもしれません。しかし、彼らの活動は人の心を動かし、その功績は次の世代へと確実に受け継がれています。

 

私たちのまわりには、世界に名が通る偉人など、そうそういませんね。しかし、「あなたがいたからこそ、課題が解決され、よりよい明日につながっている」という活動が、全国各地でたくさん行われてきました。

 

日本も、世界も、そんな無名の偉人によって、これまで支えられてきたのです。あなたも、その中の一人です。