センス・オブ・ワンダー

小学生や中学生の子どもを持つ保育園ママの中からは、「子どもがいつもゲームばかりしていて・・・」というボヤキをよく聞きます。また、昨日登園していた卒園児の小学生からも「あつもりが・・どうのこうの」の会話が聞こえてきます。コロナ禍で大ヒットしていた「あつまれ動物の森」のゲームの話です。

 

現代の少年少女たちが、携帯端末を手にSNSやゲームに夢中になっているのを見ると、昭和のおやじとしては、もしスマホやパソコンがなかったら、どうやって日々を過ごしていくのだろう・・・と思ってしまいます。

 

環境問題に警鐘を鳴らした「沈黙の春」で有名な米国の生物学者レイチャル・カーソンに、「センス・オブ・ワンダー」という素敵な著作があります。センス・オブ・ワンダーとは、『自然の精妙さに驚く心』のことだそうです。

 

彼女はこうも言います。「五感が敏感な子どもたちは、たくさんの自然に触れ、そこにまず驚きを感じる。知識として自然を知ることは、感じることのずっとあとに来る。まず感じることが大切だ」

 

保育園の子どもたちを見ていると、屋上の虫や空を舞う蝶やトンボを追いかけ・・・アサガオの花を見つけると色水を作ったり、生き物や植物に大きな興味を見せます。まさに、センス・オブ・ワンダーをたくさん持ち合わせています。

 

ところが、私たちが大人になるにつれ、この感覚が失われていきます。忙しさにまぎれたり、様々なことに振り回されているうちに忘れてしまうのです。できることなら、この感性を生涯持ち続けていたいですね。

 

今の子どもたちは、自然だけでなく、スマホやパソコンからも新しい仕組みに興味を持ち、新しい関係性を作っています。これも未来の発見と発明につながるのでしょう。子どもたちの五感は、大人の予測がつかないことを見つけてくれるのです。