福祉に「頼る」ではなく「利用する」

今日は「埼玉県民の日」です。埼玉県に住む私にとっては、子どもの頃から、この日は学校が休みになります。今日は、土曜日でしたので、埼玉県内の学校に通う子どもたちは、休みを1回損したと感じているようです。(笑)

 

さて、先月起きたことですが、30歳の女性が、店員に刃物を突き付けて現金を脅し取ろうとした事件がありました。彼女は、コロナ禍で失業し、路上生活を続けた末の犯行でした。「自分は若く健康なので、福祉に頼ってはいけない」と考えていたそうです。

 

コロナ禍で、失業者が増えています。昨年1月の数と比較すると、およそ130%に増えているそうです。しかし、生活保護受給者は、増えていません。折れ線グラフにすると、ずっと平らな線のままです。

 

生活保護受給者に関しては、コロナ以前は、いわゆる違法受給者の問題が、各メディアでクローズアップされました。芸能人の息子に収入があるにもかかわらず、母親が生活保護受給者だった・・・などです。

 

このような報道が多く流れると、「生活保護を受けるのは悪いことだ」と誤った考えが、子どもたちにも伝わってしまうような気がします。

 

働きたいのに失業に追い込まれた人は、福祉を利用する権利があります。生活保護は、生存権を守る砦とも言えます。しかし、コロナ禍では、生活保護が機能せずに、自己責任で切り捨てられるようなことが起きているのです。

 

福祉は、「頼る」ものではなく「利用する」ものです。現実的には、実際に利用することがない人がほとんどでしょうが、「いざとなったら、こういう制度がある」と知っておく必要はありますね。