アゲハ舞う光景

昨日、寺子屋園児19名のうち、ただ一人自転車に乗れなかった男の子が、ついに、乗れるようになりました。本当によく頑張りました。同じ3歳児の園児が3人…次々と自転車クリアとなり、取り残された状況になっても、コツコツと練習を続けました。自転車免許証交付の時には、みんなから祝福されて、ふだんは「おちゃらけキャラ」の彼が、まじめに喜んでいました。

 

そして、保護者の多くが、「3・4・5歳児全員が自転車に乗れる保育園なんて、他にないんじゃないの?」と驚かれます。まさに、異年齢の子どもたちの影響力の賜物ですね。

 

さて、今日は「ジャコウアゲハ」という黒く美しいアゲハ蝶の話です。昨日、モンシロチョウへと羽化した、保育園のアオムシは、大根の葉に小松菜、ブロッコリーの葉、キャベツなど、多くの種類の葉っぱを食べます。

 

しかし、アゲハ蝶は、その種類によって、特定の草木しか食べないという習性を持っています。「ジャコウアゲハ」は、かつては、河原の土手などで多く見られた「ウマノスズクサ(馬の鈴草)」という葉を食べます。というか、これしか食べません。

 

都市化が進むにつれて、このウマノスズクサが育つ環境が減少したために、「ジャコウアゲハ」がどんどん少なくなっているそうです。

 

そんな中で、国宝「姫路城」の眼前にある、兵庫県姫路市立「白鷺(はくろ)小中学校」では、ジャコウアゲハの飛び交うかつての景色を取り戻そうと、小学校3年生が中心となって繁殖活動を行っています。

 

子どもたちは「ジャコウアゲハ応援隊」と名乗り、一人一人がプランターを持ち、ウマノスズクサの栽培に取り組んでいるそうです。そこで、卵の産み付けから成虫になるまでの過程を観察し、学びにつなげています。校内を飛ぶジャコウアゲハの数は、年々増えてきたそうです。

 

問題は、費用の捻出です。学校教育では事例の少ないクラウドファンディングを活用し、多くの人に活動をPRする機会を作り、結果的には目標額の100万円を達成し、花壇の整備やプランターの充実に役立てているそうです。

 

いいですね・・・校庭を飛び交うジャコウアゲハを見る子どもたちの意識が変わっていくのでしょう。そして、姫路城にジャコウアゲハの美しい姿が映えるのです。当然、この取組みは地域との連携を生み出します。「チーム学校」が、地域に支えられるという理想の姿ですね。

 

子どもたちの心に響く素敵な取組みです。こんな取り組みが全国に広がるといいですね。