オケラ

有名な童謡「手のひらを太陽に」は、アンパンマンのやなせたかしさんの作詞というのは有名ですね。少し、聴いてみましょうか。

 

♬ぼくらはみんな 生きている 生きているから 歌うんだ

 ぼくらはみんな 生きている 生きているから かなしいんだ

 手のひらを太陽に すかしてみれば まっかに流れる ぼくの血潮(ちしお)

 ミミズだって オケラだって アメンボだって

 みんな みんな生きているんだ 友だちなんだ

 

 こんな感じで、1番から3番まで、生き物が登場します。

 2番は、♪トンボだって カエルだって ミツバチだって

 3番は、♪スズメだって イナゴだって カゲロウだって

 

子どもたちは、歌詞にある生き物をイメージして歌っているのでしょうが、「オケラ」だけは、まったくイメージできない「何?虫なの?鳥なの?」と思って歌っています。ひょっとしたら、大人の多くも「オケラ」(正式な名前はケラ)を知らないのかもしれません。あなたは、知っていますか?

葦が生い茂る休耕田脇のあぜ道を歩いていると、すばやく移動する小さな生き物がいます。ギザギザとしたモグラのような前足を動かし、器用に草をかき分けて進んでいきます。実は、私も子どもの頃に見てから、何十年もオケラに出会っていません。オケラはコオロギの仲間で、日本全国に生息しているのですが、農薬が多く使われるようになってから、ほとんど見ることが少なくなってしまったのです。一時のホタルのようですね。

実は、この昆虫は凄いのです。体全体に細かい毛がびっしりと生えています。この毛のおかげで、土の中でも泥や汚れが付きにくいうえ、水をはじいて水面に浮いて泳ぐこともできるのです。背中には、コンパクトに畳まれたハネがあり、空も飛べるのです。

どうですか・・・地中・陸・水・空で活動する昆虫です。水陸両用の戦車が、空も飛べるという想像もできないスーパー昆虫なのです。

 

童謡「手のひらを太陽に」を子どもと歌う機会があったならば、是非とも「オケラ」の話をしてほしいですね。(笑)