こだまでしょうか

勝手に「初夏を告げる昆虫」と呼んでいるのが、クマバチです。ここ数日、子どもたちは虫アミを持って、クマバチを追いかけます。まるでヘリコプターのように低空飛行で飛んでいます。動きは複雑ですが、スピードはあまり速くないので、大きい園児なら簡単につかまえることができます。

 

屋上で、気持ちよく飛んでいるクマバチは、オスですので、子どもたちを刺したりしません。それを知っているので、子どもたちの行動も大胆で、クマバチを直接触る園児もいます。「つかまえたぞ!」「逃げられた!」の子どもたちの声が、屋上に響きます。(笑)

 

さて、今日は、私が大好きな「みんなちがってみんないい」の詩人、金子みすゞさんの「こだまでしょうか」を紹介します。2011年の東日本大震災の後に、テレビCMで放映されたので、記憶に残っている人も多いかもしれませんね。

 

「遊ぼう」っていうと「遊ぼう」っていう。

「ばか」っていうと「ばか」っていう。

「もう遊ばない」っていうと「遊ばない」っていう。

 そうして、あとでさみしくなって、

「ごめんね」っていうと「ごめんね」っていう。

 こだまでしょうか。

 いいえだれでも。

 

最後の言葉に、ドキッとしますね。同じ言葉を返すのは、こだまだけでなく人間だって同じです。保育園の子どもたちは、特にそうですね。「ばか」と言われれば「ばか」と言い返します。

 

自分が嫌な言葉を出せば、相手も嫌な言葉で返してきます。もちろん、その逆で、素敵な言葉で語りかければ、素敵な言葉が返ってきます。

 

当たり前のことかもしれませんが、言葉は、人を幸せにすることもできますが、人を深く傷つけることもあります。時々でいいので、自分が使っている言葉について、考えることも必要ですね。言葉は、時に「こだま」になるのです。