引きこもり文学大賞

4歳男の子は、この週末、愛知県で行われたバイクのレースに参加しました。前日の練習での転倒が、弱気の気持ちを引き出してしまったようで、結果は優勝とはいきませんでしたが、「カッコイイなぁ~!」と先生や他の園児に言われてドヤ顔です。自己肯定感は200%と言ったところでしょうか。

 

さて、「引きこもり文学大賞」をご存知ですか。自ら引きこもり経験のある精神科医の東徹(ひがしとおる)さんが、引きこもりに向けられる社会の視線や、問題の報じられ方を変えようと、2019年から、クラウドファンディングで資金を募り、今年は「引きこもり絵画大賞」も設立しました。ノミネート資格は、「引きこもりのひと」「引きこもりだったひと」です。

 

東さんは、引きこもり問題の報じられ方について、違和感を持っていたと言います。引きこもりは悪いこと、なんとか社会に出なければいけない、出さなければいけない、という観念が非常に強いことへの違和感です。

 

「引きこもりの当事者は、よりプレッシャーを感じてストレスを抱え、自己肯定感を持てなくなり、結局、引きこもりのまま苦しみ続けます」と東さんは言います。

 

2019年の第1回の大賞作品は、「つうじょうじん」です。作者の山添さんは、いじめや不登校で、家族からも見放され、10年以上も引きこもり生活を送ったそうです。しかし、この大賞を機に、作家としての人生を進むといいます。

 

「つうじょうじん」は、引きこもらずに人生を過ごす人々「つうじょうじん」を風刺的に描いた作品です。こんなセリフがあります。「君は引きこもらずに32年も過ごして、今後は一体どうするつもりなんだ?」・・・ブラックユーモアのセンスもたっぷりの作品になっています。

 

正確な数字はわかりませんが、現在、日本には100万人を超える「引きこもり」があると言われています。どうしても、私たちの多くは、マイナスのレッテルを貼ってしまいます。

 

しかし、この取組みが、世間の引きこもりへの視線を変化させるきっかけになり、ひいては、引きこもりや元引きこもりの人たちにとって生きやすい社会にするための一歩になればいいですね。

 

自分以外の人は、様々な考えを持ち、様々な環境下で生活をしている・・・違うことを私たちは、当たり前のことにしないといけません。