憎めない害虫②「ムカデ」

赤い頭に黒緑の体・・・黄色い足を持つ毒々しい姿をした「ムカデ」は、21対の足を使って、意外に速く動きますね。ほとんどの人が、見た目が気持ち悪い!と思うことでしょう。

 

屋上ファームで仕事をしていると、このムカデが時々姿を見せます。21対の足で歩く姿は、じっくりと観察すると、実はかわいい虫なのです。(私の個人的な感想ですが・・)

 

ムカデは、小さな昆虫やクモ、ミミズなどを食べる肉食性の虫で、夜に活動をします。昼間は、落ち葉や石、植木鉢の下などに潜んでいます。そして、意外ですが、ゴキブリも大好物なのです。

 

人を襲うことは、まずないのですが、庭仕事などで、誤って触れてしまうと、毒のある牙で噛みつくことがあります。ハチに似た毒を持っているので、激しい痛み、腫れがあるそうです。猫や犬などのペットもムカデに噛まれると、元気喪失となってしまいます。

 

ムカデのオスは、精子の入ったカプセル(精包)を落とし、メスはそれを拾って受精します。卵を産むとメスはふ化するまでの1ケ月~1カ月半、飲まず食わずで抱いています。地面に着くと、雑菌で卵が死んでしまうからです。

 

しかし、ムカデの悲劇はここからです。そうやって、大切にしていた卵なのに、ふ化して小さなムカデが走り出すと、親はエサと間違えて食べてしまうのです。ムカデは目が退化しているので、ほぼ触角に頼って生活しています。自分でエサに向かっていくのではなく、何かが触れると瞬時にパクっと咬みつく習性があるそうです。そんなことなので、共食いもします。ムカデを採集して(あまりする人はいませんが・・・)、飼育ケースに数匹入れておくと、いつの間にか1匹しかいなかったということもあります。

 

どうですか・・・植木鉢の下からムカデが出てきたら、愛をもって見守ってみませんか。