憎めない害虫③「ナメクジ」

私が子どもの頃に、ナメクジを発見すると、塩をかけるいたずらをよくやったものです。今考えれば、ずいぶんなことをしたものです。しかし、塩をかけて、小さくなったナメクジに、また水をかけると復活します。

 

カタツムリは愛されるのに、陸に住む巻貝の一種のナメクジは、「気持ち悪い!」となり、塩をかけられてしまいます。背中の貝をなくして海に棲むのが「ウミウシ」で、陸に住むのがナメクジだそうです。ウミウシは、「海の宝石」と言われ、カラフルな種類が多くて愛好家も多いですが、ナメクジ愛好家は聞いたことがありませんね。

 

ナメクジは、湿気の多いところに生息し、昼間は石の下などに潜んでいて、夜間に活動します。おろし金のような多数の歯のある舌を持ち、野菜や庭の植物の葉、コケなどを削り

とるように食べます。4月には体長1センチくらいだったものが、梅雨のころには6センチ程度に成長します。

 

ナメクジがゆっくりと進む姿は、見ようによっては愛らしい姿ですね。(私だけ?)そんなナメクジは、2年前に大事件を起こしています。あの小さな体で、電車を止めてしまったのです。

 

2019年6月のこと、JR九州の電力設備に侵入したナメクジが、感電してショートしてしまい、特急列車など26本が運休し、1万2千人が足止めをくらったそうです。「ナメクジをなめんなよ!」です。

 

ナメクジには、オス・メスがありません。雌雄同体という形態です。雌雄同体でも1匹で産卵するわけではなく、ほかの個体と交尾器をくっつけ合って精子を交換することで2匹とも受精して産卵するそうです。透明な2ミリくらいの卵を1回に20~60個を土の中に産みます。

 

どうですか・・・梅雨に入ってナメクジを見つけたら、少し見守りたくなりましたか。

 

昔、民間療法で「ぜんそくの治療には生きたナメクジを呑むといい」といわれていました。昭和1ケタ生まれぐらい迄のおじいちゃんおばあちゃんなら、ひょっとしたら、ナメクジを呑んだ人もいるかもしれません。しかし、これは迷信で、ナメクジには、寄生虫がいることもあるので、絶対に呑んではいけません。