ヤングケアラー

今日の体操教室で、年長5歳男の子が、鉄棒の逆上がりを成功させました。何事も練習の成果と「自分はできるんだ!」という強い意志が伴って、結果が出ます。彼の成功で、他の園児の心に火がつきました。屋上遊びで「自転車に乗れるようになって、自転車免許証をもらう」ことと並んで、鉄棒の逆上がり成功は、子どもたちの大きな目標になっています。

 

さて、「ヤングケアラー」の問題が、表面化してきました。最近は、よく報道されているので、知っている人も増えていると思いますが、一般的には、通学や仕事のかたわら、障害や病気のある親や祖父母、年下のきょうだいなどの介護や世話をしている18歳未満の子どもを指します。

 

ヤングケアラーの初の全国調査の結果が公表されました。(令和3年3月の調査)中学校2年生の5.7%が「世話をしている家族がいる」と回答しています。もちろん、家族の世話を通じて人間形成にプラスに寄与することもありますが、現在問題になっているのは、その度が過ぎて、学業に影響が出ることです。

 

5.7%の生徒のうち、宿題や勉強の時間も取れないという者は16%だそうです。つまり、世話をする家族がおり、それがもとで勉強ができない状態の生徒は全生徒の0.9%に該当するのです。

 

全国の中学生321万人にこれをかけると、2.9万人にもなります。この数字には、自分をヤングケアラーと自覚せず、相談するほどのことではないと考えている生徒は含まれていません。

 

さいたま市では、先日の市長選挙で4選を果たした清水市長の公約にもあるように、教育委員会が6月に、独自の実態調査をするそうです。市立中・高・中等教育学校に通う全生徒約34000人を対象にアンケートを実施し、市の福祉部局などと連携して支援につなげることになっています。全国の自治体で、同じような動きが出てくると思います。

 

今は、「ヤングケアラー」という言葉を知らしめる段階ですが、大きな問題であることは間違いありません。「○○だから、勉強をする時間がなくて、進学もできない」という子どもたちを作らないように・・・知恵が必要です。