客室乗務員から英語教員

今日は、3歳男の子が自転車に乗ることができました。たまたま屋上には、エアコンの室外機設置の作業員がいて、男の子が自転車に乗れた瞬間を見ていて、感動の拍手を贈ってくれました。男の子は、先月から補助有り自転車で、ペダルをしっかりとこぐ練習をしていました。慎重な性格なので、本人が「自転車に挑戦する!」と言うまで、見守っていたのですが、ついに、本人のゴーサインが出ました。

 

何と、1回目のトライでスイスイと走っていきます。自転車が止まった状態から自分の力でこぎ出すことも、何度か練習するうちに、できるようになりました。これで、仲良しの4歳男の子と一緒に自転車で併走することができます。この経験が「石橋をたたいて、なかなか渡らない」彼の性格の壁を破ったようです。よく頑張りました。

 

さて、今日は、客室乗務員(CA)から、高校の英語教員になった女性の話です。埼玉県では、今春、県教育委員会の特別試験に合格した3人の民間企業出身者を高校の英語教員として採用しました。

 

まさに「生きた英語」が、教育現場にやってきたのです。その一人が、川越女子高校で勤務する細野さんです。彼女は、2015年に外資系航空会社に入社し、キャビンアテンダントとして働いていました。しかし、コロナ禍で昨春から自宅待機が続いていました。

 

彼女は、これまでも挑戦の人生を歩んできました。スペイン語は独学と留学で習得し、計5か国語を話します。海外の知識を深めるために、世界遺産検定の最高峰「マイスター」を所得しました。世界65か国を訪れたそうです。

 

授業では、客室乗務員が接客で使うフレーズを例に「Will you~」と「Would you~」(~していただけますか)の使い分けなどを解説します。自分が撮った写真を用い、海外の文化や習慣に触れることもあるそうです。

 

そして、彼女の強みは、生徒一人一人の表情の変化にも目配りできる能力で、これは社会人時代に培ったものだそうです。キャビンアテンダントだったので、まさにプロの目ですね。もちろん、職場内のコミュニケーション能力も抜群で、教頭先生からは「現場への順応が早く、コミュニケーション能力高い」と評価されています。

 

細野教諭の授業は、ただの英語の授業にとどまらず、「世界の窓」を生徒たちに見せているような気がします。「世界は日本とは違う」ことも学んでいくのでしょう。

 

余談ですが、私の長女は、この川越女子高校の出身です。高1の時に1回だけ授業参観に行ったことがあります。何と、男子トイレが敷地内に2か所しかありません。(女子高ですので当たり前ですが・・・)そして、原則、校則がないことで、生徒たち自身が自分のモノサシを高くして「ちゃんとしなきゃ!」となるようです。みな、しゃんとしていました。

 

どうですか・・・民間企業の力は恐るべしですね。長く教員を続けてきた人と融合することで、子どもたちにとって、新しい可能性を引き出す切っ掛けが膨らむのではないかと、感じますね。

 

私たちは、人生の中で、必ず何度かの転機があります。「人生の再出発」をこんな形でスタートさせられたら、本当に幸せですね。